櫻葉のお話
BLなのでご注意ください















「翔さんってさ、味がしなくなるまで噛み締めるタイプだよね」

「はい?」




なんの前触れもなく、偶然局で顔を合わせたニノから言われた内容に首を傾げる。




「バーベキューね」

「…あぁ!え、雑誌読んでくれたの?」

「テレビも時間が合えば観てますよぉ」

「おー!ありがとぅ!!」

「ふははっ!テンションたけぇ〜」




スマートフォンを弄りながら笑うその姿は、見慣れない髪色が新鮮だけど

背中を丸めた姿勢は見慣れたものでどこか安心する




「夏の思い出といえば、今の俺はそれなのよ」

「あれも長かったよね」

「あれ?」

「俺千葉」

「ふはは、よく覚えてんな?」

「あれこそ何年に渡って聞かされてんの?ってくらい聞いたからね」

「あれはあれで良い思い出だからな」

「あははは!この人まだ噛み締める気だわ」

「あれ以上の思い出はなかなかねぇよ」





番組の企画とはいえ

俺を喜ばす為だけに雅紀が計画を立ててくれて
俺の為だけに俺の好きな料理を手配して
貸切の海で思いっきり遊んで温泉まで入って


……まぁ、落とし穴ってオチもしっかりあり。



でもそこから見た花火がすっげぇ綺麗で


そこまででも十分だったのに





『しょーちゃんに喜んでもらえて良かった!』




撮影後、少し照れたような笑顔でそう言った雅紀に堕ちたのは言うまでもなく


今では、かけがえのないパートナーだ。



だからあの日以上の思い出なんてある訳がない





「バーベキューって昨年でしょ?」

「おぉ。今年もしてぇけど…流石にスケジュールに余裕ねぇからさ」

「だから昨年のバーベキューを引っ張ってんだ」

「おーい。引っ張ってるって言い方な!」

「んふふ、来年の夏も噛み締めてそうだよね」

「…今年の思い出作りは無理そうなんでね」

「お互い忙しいもんね。テレビつけたらどっちか映ってるって感じだもん」

「いやいや。アナタもだいっぶ忙しいよね」

「んふふ。ありがたいことにね」




タバコをポケットに仕舞って、そろそろスタジオに戻る時間だ




「何かさ」

「うん?」

「翔さんの言う思い出の中に、いつも相葉さんが居るよね」




ニノの言葉に振り向くと

スマートフォンに向けてた筈のその顔は、優しい表情でこっちを見てる




「…そう、かな?」

「まぁ、冬は小峠さん。夏は那須っていう巻き込まれ要員もいるけどさ」

「うぉい!!巻き込まれってなんだよ!」

「あっははは!今日マジでテンションたけぇな〜」




ケタケタ笑う声を聞きながら喫煙所のドアを開ける




「そんじゃ、お先でーす」

「はーい」




ひらひら手を振るニノに見送られながら、今日も頑張ろうと一歩踏み出した。












END









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翔くんいたる所で櫻葉BBQの話してるなぁと思って
書いたらなぜか磁石っぽくなった(・∀・)ナゼ
(でも俺千葉から付き合ってるから櫻葉だよ!!!!笑)
お話とは別に櫻葉BBQの事は書きたいなと思ってます♡
昨日のFNSのもね♡♡

そして近々アメ限お話UP予定♡
おぴんくどこまで書けるのか実験的な…‪( ◜௰◝ )‬笑
そちらもお付き合いおねがいします〜!!!