20時30分頃


『医師から説明があります。』


と、呼ばれました。


仮泊室にいたので

急いで向かいます。


待っていると

手術室へ送り出す前に

説明してくださった先生とは別の先生がみえ

図や文字を書きながら説明してくださいます


手術前の最終的な(開胸する前の)検査の

食道からの心臓を確認するエコーで

心臓の近くの血管の、

手術が難しい場所に穴があいていることがわかり、

今回の手術計画を見直す必要があり

どうするか考える時間が必要になった


と、いうような内容でした。


聞いているそばから涙があふれ

そんなこと、かまわず

ひたすら、先生の話に集中します


お願いします、命を助けてください。

心の中で

何度も唱えます。


説明を聞いた後も、その部屋へ留まり

最速で話しを聞けるように待機し

ひたすら、願います。


22時10分

先生がみえ、

今、サクの状態は病院の管理下で安定している。

緊急性は高いが、今の状態を維持できている間に

必要な検査をして、外部の医師からも意見を求め

手術計画を立て直して

万全の態勢で手術ができるようするために

今日は、中止します。

会える準備ができ次第、

また、お呼びしますね。


とのことでした。


もう、先生の話しの途中から涙が止まらず

頭を縦にフルことしかできず

サクに会える嬉しさで

気がついたら声をだして泣いていました。

『サクに会える。会えるよー』と


色んなことが

頭をぐるぐる回るものの

『すごい先生達が、助けてくれてる

すごい。そしてサクに会える。すごい』


夫婦で泣きます。


しばらくすると、

看護師さんが案内してくれました。



呼吸を管理してもらい

たくさんのチューブにつながっているので

眠ってもらっている状態です。

目が覚めたら絶対暴れるのでそれでいいのです。

あたたかい手のサク。

目尻には泣いた跡があり

それを見て、また涙が込み上げてきますが

会えた喜びを、噛みしめ

涙を流しながら、

『たくさん、たくさん、

頑張ったね、頑張ったね』

と、声をかけます。


手術室へ行く前に説明してくださった先生がみえ

再度、説明してくださいました。


今回の術前の食道エコーで見つかった穴は

極めて難しい位置にあり

その手術を専門にする先生はいるが

それは大人に、であって

子どもにはほぼ例がない事例

そして

心内膜炎という爆弾をかかえている状態。

今の状態を保ちつつ、

今回見つかった穴の情報を集めて

(本当に穴なのか、違うのかも含めて)

再検査をして、再度手術計画を立て直す

と、

いう感じでした。


たいへんな事態なのは変わらず

ですが


良い方へ向かってほしい

ただ、ただ

願います。