ドミニカ共和国の政府もインフレの克服を現状の最重要課題として

取り組んでいますが今年に入りインフレが7、83%で減少傾向がみられます。

9%近く上昇していた時期に比べると明らかに下がってきましたが

一方でla inflación subyacente(日本で言うところのコアインフレ率)

は6、56%とまださほどの減少にいたらないのでもう少し時間がかかりそう

だなという印象です。

 

 

 

インフレ率にして4%ぐらいまでくるとだいぶ経済も落ち着いてきそうですが

年末に向けてどれぐらいになるか。

 

日本の実家と話しても年金暮らしの両親は

最近はインフレの不満が多い、ロシアの戦争のせいでどうのこうのと

話してきたので「ロシアは(あまり)関係ない」と話したのですが

現在世界的に起きているインフレは明らかにコロナという

特殊な状況が引き起こしたものでウクライナとロシアの

戦争が主たる原因ではありません

小麦粉や卵を産ますための飼料などもちろん影響がないとは

言えないですが主たる原因のわけはなく、

上記のデータが示す通りウクライナ侵攻の大分前から極度のインフレは

始まっていたわけです。

 

世界中でインフレの進行が開始されたのは2021年の春からであり

これはロシアのウクライナ進行より1年近くも早くに開始された

ものです。

コロナ禍において経済危機を回避するために世界中で金融緩和策が

行われ市中にお金が出回ったことで資産インフレが極度に

上がることは経済学者も十分予想がついていたことだと

思います。ビットコインの値段が2021年には800万に迫り

ましたが別にビットコインの値段だけではなく金、銅でもプラチナでも

腕時計でも砂糖でもおよそマーケットにあるものはお金以外は

何でも上昇したわけです。正確には資産の価値が上がっている

のではなく単にお金の価値が落ちているのです。

 

 

(村のスイカのお話)

ある村にスイカが毎月10個だけ作られていました。

この村にはスイカの引換券「SUICA 」が

10枚だけ配られてスイカ1つに

対してSUICA が1枚使われることが決められていました。

スイカ一つの値段は「1SUICA 」が使われていたのです。

ところがある時に村の村長はSUICA券を間違えて100枚

刷って村の中央銀行を通じて村全体に配ってしまったのです。

そのためにスイカ1つに対して10SUICA必要となり

スイカの価値が上がってしまいました。

たくさん刷りすぎたためにSUICA 1枚の

価値が落ちたとも言えます。

 

 

ここまでは簡単な経済学のお話です。

では経済学者たちはこの村の村長のように

世界のインフレを起こして

多くの人たちの世界を困窮させようとしたのでしょうか。

いいえ、決してそうではなく、今世界で起きている

インフレというのは我々人類が直面してこなかったもので

過去のインフレとは異なります。

 

それでは何がいったい今までと異なるでしょうか。

そして世界で経済のプロ達の計算が狂わされた

原因はなんでしょうか。

またまた村のスイカのお話に例えてみましょう。

 

 

(村のスイカのお話 2 )

スイカ1つに対してSUICA が1枚使われることが

決められていた上記の村にコロナという感染病が生まれた

ために働けない人たちを救おうとなりました。

せっかく生産したスイカが売れないとスイカ農家が

困り、村の収入源も途絶えるからです。

そこで村の村長はSUICA券を増やして3倍の

30枚刷ってまた中央銀行から村全体に配りました。

スイカの値段は上がり、SUICA 1枚で

スイカ3分1しか買えませんが今までより多くの

人にSUICA 券が行き渡り3分の1は常に手にできる

ため一応村のほとんど人がコロナで働きづらいけども

スイカを食べることができスイカ農家もつぶれずに

すみました。

 

この状況でコロナの収束を待ったところ、村の中で

予想外のことが一つ起こりました。

 

それは毎月10個必ず作られていたはずのスイカが

コロナで働き手が少なくなっているために3個

しか作られなくなってしまったことです。

村にお金は行き渡っているのに今度は十分な

スイカが足りなくなったのです。

 

これは村の村長が予想してなかったことでこれにより

スイカはお金に比べてますます数が少なくなり

スイカ価値がまた大幅に上がってしまいました。

 

村の村長と中央銀行はコロナが収束してきたのでSUICA 券を

少しづつ回収し始めようとしますが。ただ思っていたより

スイカの生産数があがりません。毎月3個のままなので

スイカの値段が高いままです。

コロナで家にいることに慣れた人たちがなかなかスイカの

農作業の現場に戻らない事態が起きているからです。

農作業の現場だけでなく畑から村にスイカを運んでくれる

輸送業者もあまり働く現場に戻ってきません。

何人かの農家は未だにコロナの恐怖心がぬぐえずマスク

しない場所には出かけたくな人たちも未だにいます。

ステイホームに慣れた村の人たちの生活動態が大きく

変化してなかなか生産が元に戻らないのです。

 

 

ここまで村のお話です。

今、世界で起きていることはこの村のスイカの生産が

できてないように世界規模でモノの供給が不足していることから

インフレが強く起こっており実はこの問題に対して

中央銀行や日本の日銀ができることはほとんどありません。

 

「全世界」で同じタイミングで全人類が同じ恐怖心理から

ステイホーム、そして職場に戻るタイミングが未だに元に

戻らず、生産現場、輸送現場全てを狂わせたことから世界中で

モノ不足が起きるという現象はおよそ世界がグローバル化された

現在でも初めての現象なのです。(今までは単一の国が戦争などで

生産や経済が停止、縮小というのは多々ありましたがこれが

世界全部で同じタイミングで起きるという世界が初めて目にする

状況)

 

世界の人たちが少しコロナに対しての恐怖心理から

脱却して行動を変えていき、生産体制が日常に戻るのを待つ、

これがインフレ退治の第一段階としては必要なのです。

「(脱マスクとか)人の心理も含めて」日常に戻ると

いうのが大きなポイントです。