日本の寿司や和食のレストランにある「おまかせ」という

注文スタイルは現在は海外にも輸出されており、

世界中の多くの国の飲食店で「OMAKASE 」

という言葉が定着しつつあります。

 

海外のレストランではアラカルトメニューと

コース料理が存在しますが「OMAKASE」 は

和食、寿司のコースメニューとして定着しているのです。

最近はアメリカ、欧州など海外でも「OMAKASE」 

を店の名前として使っているお寿司屋もけっこう

見かけます。

 

 

 

 

 

ドミニカ共和国の首都、サント・ドミンゴにある

日本食レストランの「SAMURAI 」では最近定期的のこの

「OMAKASE」 スタイルの料理を提供していて

今回経験してきました。

 

 

 

 

 

 

 

この日の「OMAKASE 」コース。

オーナーが日本人ということもあり

特に日本の食材にこだわった

料理が並べられています。

 

 

 

 

 

左はオイスター、右は千葉の房総半島の

郷土料理として知られる「なめろう」料理。

魚と味噌を混ぜたたたいたもの。

 

房総半島は日本でも唯一「料理の神様」が

祀られている地域で参拝などに訪れること料理人も多く

日本の食文化としてはとても伝統的なエリアなのです。

魚介類が特産でもありますがそれら新鮮な魚介類を

庖丁と箸で魚をさばく庖丁式とも言えるやり方の発祥の

地でもありなめろう料理はその代表とも言えます。

 

海外のレストランではSeafood 料理では刺身を

細かくたたいてソースにからめたタルタル

料理が好まれていますがそれと似た料理でこちらでも

好まれそう。

 

 

 

 

 

上の写真は日本の食材にこだわった刺し身のお造り、そして

真ん中の写真は和牛、うに、キャビアの素材が

使われたにぎり。

下は焼き物料理としてのロブスター。

 

近年、寿司や和食のフュージョン料理の流れでニューヨーク

や日本でも西麻布や六本木など比較的外国人も多く訪れる

エリアのお寿司屋さんでは和牛+うにの組み合わせや

和牛+ウニ+キャビアの素材を使った握りが見られますが

今回もそのイメージで口に運ぶと経験したことのない

少し濃厚な味わいを感じました。

特製の醤油に隠し味としてのテリヤキソースを少し

からめているそうですが新鮮な驚きがありました。

 

寿司の世界も日進月歩で進化しており、日本に帰り寿司屋と

話すたびに多くのシェフが伝統的な寿司を理解しつつも

次世代の寿司のための積極的な挑戦もしているのを感じます。

和食に限ることではありませんが

1)フュージョン、2)SNSの2つの登場は料理の世界を

大きく変えたゲームチェンジャーとも言えます。

 

 

 

 

 

 

 

最後に出てきたのが

日本の食材にこだわりそこに独自の色合いを各種につけた握り。

色合いも綺麗で手が込んでいる一品。

味もとても美味しかったです。

 

 

 

 

 

 

締めに出てきた餅のアイス。

これも手作りだそうで大変美味しかったです。

 

 

「おまかせ」という飲食のパターンは海外だとアラカルト

に対してのコースメニューとして知られていますが

ここ10年ぐらいにおいて少し海外の飲食業界も

変化が生まれていきました。

それは海外の多くの飲食店が一般のコースメニューに

プラスしてこの「OMAKASE 」の良さを取り入れるようになった

ことです。

つまり旬の食材にこだわるのにプラスして、シェフが空間と

演出をつくり、さらに来た人に対してコミュニケーション

も交えて食事を提供するというスタイル。

このパターンは海外の多くの有名なシェフが日本の

「OMAKASE 」の影響を受けてニューヨークやスペイン、パリ、

など食にこだわる多くの国で真似されその後世界に

広がっていきつつあるスタイルです。

特にマンハッタンで初期に生まれたボンドストリートなどの

OMAKASE スタイルは「食文化」が進んだこの地域の人たちに

受けてその後の海外の和食、寿司業界には影響を与えたのでは

と思います。

 

ただオペレーションはどうしても50−100席などの飲食店とは

大きく異なり少数のカウンター席で夜だけの2回転ぐらいが

標準ですので食の市場としてもどこの国や地域でも

できるかと言われるとハードルが高い部分かなと思います。

そういう意味でドミニカ共和国では

他の飲食店もふくめてまだ取り組んでいる店はなく、

今回その「OMAKASE 」としての取り組みに

良い挑戦をしているなという印象を受けました。