添付はドミニカ共和国のマネタリーベースのコロナ前の2019年から
現在にかけての動きです。
マネタリーベースというのは、ドミミカ共和国の中央銀行が景気を回復させる
効果を狙って市場に直接的に供給するお金のことで具体的には、
市中に出回っている現金と中央銀行の当座預金の合計です。
このデータを見るとコロナ前に比べてマネタリーベースで市場で増やされた資金は
40万Millon ペソにも上りますが(歴史上最大)、その中で現在のドミニカ共和国の
市中に実際に出回ったお金で増加分はわずか9万 millon ペソのみです。
つまり量的緩和として増加した分の中で
残りの31万Millon 前後の 無駄なペソはどこにとどまってしまって
いるのかかというと緑の部分の
短期金融市場における当座預金に止まった状態でドミニカ共和国の民間銀行から市中には
貸し出されてないかなりの資金がダブついてしまっている状態なのです。
特にこの緑の部分でMEと呼ばれる外債資金がコロナ禍で増えていったことは
ドミニカ共和国の金融マーケットのポジションに今後
影響してくると言えるでしょう。
ドミニカ共和国の国債価格はコロナが起きた時はマーケットの中で強力に値下がりをしまて
最大で値下がりした時は下記のようにBid プライスで79%まで下がりました。
この時は自分もドミニカ共和国の国債マーケットを観察していましたが、
79%で急激に下がる動きは中南米市場でも大きな動きを見せた国のひとつでした。
ただその後、ドミニカ共和国のマネタリーベースで急に当座預金の外国資金が
増えだしたのでおそらく短期国債市場で資金が入り始めたからまたすぐに
値上がりするなと感じたのを覚えています。
データを見ていてもこの国債の値動きとマネタリーベースでの資金流入の
数字は連動していることが分かると思います。今現在は逆にドミニカ国債は107を
超えておりやや値段が高いのですがおそらく今後は金融引き締めに入る段階で
国債の相場も徐々に下が流可能性があります。
米国が金利を上げる以上、中南米の多くの国も追随せざる負えない
からです。
(米国の金利が仮に1%、ドミニカ共和国の金利が仮に1%として
米国の金利が仮に2%に上がるとすると自分が同じお金を持っているなら
当然金利が良い方に預けますよね、そのため米国が金利上げる
場合は追随しないと多くの資金が米国に逃げてしまうからです)
(2022年のドミニカ共和国の金融市場)
現在、ドミニカ共和国の多くの企業はコロナ禍において
の量的緩和のおかげで、上記の資金余りのせいで借り入れ資金を割と余裕を持って
回している企業が多くなっており、また民間銀行の金利もペソで5%以下、
米ドルだと1%台の所もあり、かなりの低金利の状態が続いていますが
その理由もこのマネタリーベースのデータを見ていると市場で行き場のないお金が
ダブついているという状況から理解できます。
ただし2022年は米国が利上げと市場に出回りすぎたキャッシュを回収していくという
アナウンスを開始したことは大きなゲームチェンジャーであり
ドミニカ共和国も利上げを緩和縮小の流れは必須になっていくのではと
いう気がします。
ドミニカ共和国の企業も今後ドミニカの金融市場がどのタイミングで
利上げが開始されていくかは重要な戦略になってくるのではと予想されます。
まちがって緊縮財政が強まっりしたら企業によっては影響が出てきますので
そこは慎重にマーケットを観察する必要があるかなと。
(日本の市場)
日本でも2月から住宅ローンの固定金利が上昇しましたがまだそんなに
大した上昇というレベルでもないですが
夏場の参院選が終わった後、2023年以降に
どうなっていくのかなと。日本政府は世界の動きとは対照的に
量的緩和を継続するという決定をしていますが
いずれにせよどこかのタイミングでは日本の市場に出回り
すぎた資金を回収することは避けられないという印象です。
ちなみに先月日本ではシラッと雇用保険を引き上げられているんですよね。
オミクロンのことで騒いでいるドサクサに紛れて引き上げられていて報道も
サラッとしかしていないですが被雇用者のクラスターは生活を圧迫してくるので
もう少しこっちに反応するべきかなと。



