ドミニカ共和国の個人金融資産残高ですが毎月のように報道されていましたが
前年比で20%前後と驚異的な増え方をしていて4期連続で過去最高値を更新。
GDPの50%を超える24億2000万ペソとなっています。
またドミニカ共和国の2021年の
GDP成長率も12ー13%前後と高い伸び率。これは
米国でも6%、生産的政府支出が一桁と最低レベルの
日本でも2.4%を推移しているのだから数字的には妥当なのかなと。
ただドミニカ共和国に限らず日本でも個人金融資産は2000兆円にせまる
など歴史的に見て過去最高を記録していますし米国でも同様でこれは
コロナ禍で世界中でとてつもない量の紙幣を印刷してばらまいてきた結果です。
世界的に起きているスタグフレーションなどの悪いインフレもこのためで
米国は去年から金融緩和を停止し始めたのが大きなニュースとなり世界を
駆けめぐりました。世界経済のルールがまた変わるからです。
一方で日本では先月に量的緩和は当面維持することが発表されましたので
自分も全ての資金を一旦米ドルに
変えたりしましたがその後当然のように円安に反応し始めています。
さて「国民の金融資産がかつてないほどに増えている」、
「GDP成長率が高い」など
こういう値だけ見るとコロナの2年で「国民の貯金が増えたのかな」、下手すると
何となく豊かになったという錯覚を生み出しかねない数字です。
実感値としてもコロナ禍で失業率は増えて、非常に高いインフレの中で
生活費についても苦境を感じている人の方が圧倒的に多いというのが
現実ではないでしょうか。
金融緩和でお金を市中にばらまくと「預金」を増やすことは
できます。ただそれは貸し借りが増えているだけでお金自体が
増えているわけではないのです。私たちが暮らしている社会の
中で価値が増えているのとは根本的に異なるのです。
国民が銀行に貯金をした場合、その貯金というのは銀行にとっては
「負債」になります。そして銀行は国民に対してのこの負債を返却
するために「貸し出し」という形でお金を企業などに貸し出していきます。
コロナ禍ではその大量のお金の貸し出しが日本の企業に流れていきました。
コロナ禍の2020年度末の貸し出し金額は30兆円も増加しています。
なぜならコロナの中で政府はお金を剃り続け、預金と貸し出し金額を増やして
きたからです。
そしてこの積み上げられた預金というのは銀行側のバランスシートで
見ると同時に借金でもあるわけです。
つまり「預金が増えている」ということは「借金が増えている」と
見ないといけないのです。
そしてその結果として、個人の金融資産は1992兆円と過去最高。
この中で「預金残高」という数字を見ると個人は970兆円、そして企業分
とたすと1300兆円近くと高く積み上がりました。
この預金残高は=借金残高でもあり将来にわたり誰かが返していかなければ
いけないのです。
「預金残高が積み上がっていくこと」それは何を意味するのでしょうか。
それは給料所得の上がらない中、インフレが継続する日本で
将来世代にわたる増税という形で返ってくるという状況を意味します。
岸田政権が消費税の増税の話を今年の夏場の参議院選挙の
後でしなければいけないと、待ち構えている理由がここにあるのです。
本当に社会で大事なことは預金(=借金)ではなくその
増やした借金を使い「社会に必要な労働を生み出す」ことです。
お金そのものには価値はなく、お金を使い、必要な労働の価値を作れる
ことが重要なのです。
無人島でいくらお金を持っていても、お金に価値はなくなりますよね。
お金を持っていても無人島に労働に従事する人はいませんので当然です。
労働をしてくれる人がいない場合、お金の価値は失われるのです。
極端な議論でしょうか?
でも考えて欲しいのは「GDP増加」の正体です。世界でGDPが増えていると
言っても何をして増やしたGDPでしょうか。
無人島に流れ着いた15人の少年少女がいたとします。
彼らにもし「ポケットにある限られた持ち金」を全部使えば、
3つ何か手にできると伝えた場合に
急ぎで必要なものは何か?こう質問したら誰もが「食料」「衣服」「住居」
「救助のためのネットインフラ」などアイデアが浮かぶはずです。
そこである少年がその限られたお金を使い、
「島の北側に流れる川に橋をかけてみたい」と
いう少年がいたらおそらく仲間に「ふざけるな」と怒られるはずです。
今、彼らが必要としているモノではないからです。
無人島で議論すれば誰もがわかることですが現実世界になれば
誰もこのことが理解できなくなるのが不思議です。
私たちの社会で生産性のない不必要な労働が増えていること、これは
我々の借金を増やして、増税を受け入れる中でこのような労働が
増えていることに本来は国民は厳しく監視しないといけないのです。
GDPが増加したという時に、数字にごまかされずにその中身で
生産性があったものなのか、将来の投資効果があるものだったのか、
に注目することはとても重要になります。
そのような視点がなく不要な労働が増やされると社会はどんどん疲弊
していくのです。


