GWもすぎたあたり、この時期になると日本ではSNS界隈を中心にバズりはじめるのが
新卒で入社した社員の辞職の問題。
現在の新卒入社組の3ヶ月以内の辞職率は3割を超えるのが今の日本。

たまたま、GWの時にあるネットサロンでゲストで呼ばれてネットで
色々議論して話していた内容がこの日本社会の閉塞感
と雇用の問題について。

新卒の人たちが会社に魅力をもたない、というのはある程度しょうがないのかなと
いうのが率直な感想。今から社会に出る20歳前半から下の世代、いわゆる
「Z世代」や「ミレニアム世代」は、それこそベーシックインカム
などの社会変革がされないと仮定すると、ほぼ確実に70歳ぐらいまで
働くことが義務付けられている。
「50年間同じ組織で働き続ける」というのは非現実的であり、
今の時代ではどうしても無理ゲーですので、どこかで大きな
キャリア転換にせまられる。
普通に考えて50年同じ組織で絶対働けないですよね、、、
不思議なのがなぜこういう所は、
皆、完全に思考停止してしまうのかなと。

そして最近、経団連の会長である中西氏が終身雇用は無理がある、という発言を
したのをきっかけに、その後トヨタの社長が「終身雇用は企業にメリットが
感じずらいし、今後この制度を守るのは難しい」発言。
日本で雇用されている人たちにとっては昭和からの長い歴史を見てもこれは
とても大きなインパクトがあるニュースであるし、いよいよ
日本のサラリーマンが見てきた共同幻想が崩壊しそうという印象を
持ちました。

肌感覚ですが45歳前後、つまり社会に出て70歳まで働くと仮定した場合の
「復路」への折り返し地点にあたるこの年齢が一つのベンチマークになり
この年齢になった際にキャリアを大きく変えられることを計算して「ミレニアム世代」
とか「Z世代」は生きていく必要があるし、彼らと話すと、知識層側の
ミレニアムとかZ世代はよくそういうことを理解して行動してるな、
と感じる。この復路への折り返しの段階で会社や自分の所属している
世界以外でのつながりであったり、飯を食う方法をある程度計算して生きていく
必要に迫られる。

ミレニアム世代やその更にひとつ下のジェネレーションにあたる「Z世代」でも
この状況だとすると更にその2世代ぐらいの下のここ数年生まれたような世代は
もう雇用の形態すらも今のシステムは当てはまらなくなります。

動物などは子供の頃に餌の取り方を覚えたり、そのスキルを生涯使って
生き続けますが、生物の中で子供の頃に
生きるため(に必要と親から教わり、そう思い込み続け)学んだスキルが
「あれっ、何か必要って聞いてたから一生懸命にやってきたのに、
何かこの先は食っていけないぞ、どうやって飯食べていけばいいんだ。。。」
となるのは人間の世界ぐらいです。
そう考えると我々人間の世界は変化が早いのを前提としても
動物の世界の子育てとしてはとても特殊です。
成体側の大人が子供にご飯を食べるやり方を
教えることができない世界が発生している、という動物は
およそ哺乳類の中では人間ぐらいではと思います。

Z世代やその更にしたの世代では今、興味深い状況も増えていて、例えば今の
日本において最大の生徒数を誇る高校は、実はネットの高校だったりします。
N高と呼ばれているこの学校は通信教育とスクリーニング、ネットの授業で
今では尖った人物を輩出し始めたりしている。
プログラミングコースとか、漁船にのってイカ釣りに行くコース、
ツボ作り体験コースとかあったり。

自分が驚いているのは変革が浸透していく速さ。
これはZ世代とかそこから下世代の情報を得る場にいないとまだ
体感としてわかないかもしれませんがものすごい早い。
角川とドワンゴがこの高校を作った時にN高の本を読んでみて
「面白いな」とは思ったけどまだ社会実験的な範囲でいつぐらいからこの
高校が市民権を持ち始めるのかな、10年後ぐらいには可能かな、
ぐらいの気持ちでしたが
たった数年のうちにここまで伸びてきた、

これが意味することって、Z世代やその下の世代の生き方が大きく変わる、
まさに学校教育からして少なくとも今のシステムで算数の成績が良いからどうだこうだ、
とかがかなり意味をなさなくなる世代がこの世代なんだろうなと。

ちなみに世界でもっとも入るのが難しいミネルバという大学も
N高のようなオンラインラーニングの大学だったりします。日本でもほんの
数人だけミネルバ大学に入る人はいますが
まだまだ世界から見ると少ない。