
最近、娘と息子に「地球」という言葉を教えて動画を見せて
あげたりしていました。下の子はまだ「ちきゅー」というのがせいいっぱいですが
上の娘が最近、地球を見せたときに、一段抽象度が上がり
「わたしたちが住んでいるところだよ」と言うようになりました。
また最近は食事の時に好き嫌いをする時は、たまにアフリカの飢餓に
直面する子供の動画を見せたりして、ごはんが毎日食べられる
ありがたさを教えてみたりする。
こうして成長していく過程で彼らはやがて、人類のこと、貧困や政治のこと、
複雑に絡み合う世界の関係にとまどうこともあるかもしれません。
苦労しても報われない、という現実に直面することもあるでしょうし、
世の中は自らのコントロールが及ばない変数の方が多い、ということも
学ぶかもしれません。生きることの意味を考えるときもあるかもしれません。
「視野が広い」という言葉がある。文字通り複眼の思考を持つ人をさす言葉だ。
世の中で騒がれるような賛否両論のある意見を、短絡的な
発想ではなく自分なりに深く解釈できるような大人になってくれればと。
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2019年度 東大入学式、上野千鶴子氏の
祝辞より
あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。
ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが
公正に報われない社会があなたたちを待っています。
そしてがんばったら報われるとあなたがたが思える
ことそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、
環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。
あなたたちが今日「がんばったら報われる」思えるのは、
これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、
背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価して
ほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても
報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、
がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。が
んばる前から、「しょせんおまえなんか」
「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれる
ひとたちもいます。
あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに
あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに
使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、
恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、
そういうひとびとを助けるために使ってください。
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