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サーカスの有名なお話。
それはサーカスの子供の像は生まれたらすぐに
足に鎖をつけて逃げれないようにしておくというもの。
何故かというと子供の像は大きくなるに連れて
足につけられた鎖を引きちぎるぐらいの力はつくのですが、
像という動物は賢いがために、子供の頃に
「自分はこの足枷の鎖をちぎれない」と一度学習した子供の像というのは
大人になっても鎖をちぎって逃げることはないそうです。
自らの頭の中で形成された「足枷」は物理的な足枷よりはるかに強制力を持つという
話です。

人間の世界もこの話しと似ています。
ある調査機関の発表によると、子供は生まれてから成人になる
過程で、親や教師など身近な周囲の大人たちから平均で15万回の
否定の言葉を聞かされるそうです。
その中で頭の中に形成された「できない」という言葉は強力な制限を持ちます。
否定の言葉の中で育った子供は大人になるまで足枷の大きさは普通の子供より
大きくなります。特に子供にとって最も身近でありまた
生存のために存在の大きい「親」の言葉は大きな影響力を持つものです。
自分の子供の頃を振り返っても教師の言葉は正直そんなに覚えているものは
ないのですが、自分の両親の言葉というのは要所要所で今でも覚えている
ものがいくつもあったりします。そして少なからず自分も影響は受けている
のは間違いありません。


子供ができてからかもしれませんが少し心が痛むこと、それは
子供の前で「うちの子供はxxxができない、これがダメ」
的なネガティブ発言をしている親を見ること。
親の何気ないひとことは生涯にわたり子供の心に残るものですが
親はそれに気づかずに、ふとした罪のないひとことを子供の前で言ってしまう
ものです。

よく誤解されますが
人間は他の人や外部からうける強制力や制限よりも実は自分の頭の中で
形成される「自ら持つ制限」の方がはるかに強い強制力をもつものです。
子供の時に「できない」と言われた子供はそれが何かのきっかけでできる
ようになってもその時の記憶が残るかもしれません。

米国スタンフォード大学のティナ・シーリグという教授が大学でした講義
を本にした「わたしが20歳の時に知っておきたかったこと」という
書籍があります。世界中で100万部以上売れたこの本は
自分が今でも手元に置いてたまに読み返すとても好きな本の一つですが
この本で「頭の中で形成される自らの制限(足枷)」がいかに強力な
ものかが語られています。

米国の有名なカンファレンス「TED」に登壇した時もシーリグ教授は
語っていました。この本の中で彼女が最もいいたいことのひとつは
「自らが作っているコンフォートゾーンから外に出てほんの少しの
リスクをとる、自分に失敗する許可を与える」ことです。
(「コンフォートゾーン」というのは脳科学の世界でもよく出てくる
自分の安全領域の外の空間のことです。この空間に出た時に人の脳というのは
たとえ大人でもかなり活性化し、衰えづらいと言われている)

毎日の決まり切った次のステップでないことをするにはほんの少しの
脳の訓練が必要と語っていますが、実はこれは
子供の時は誰もがしていたことなのです。



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(ティナ・シーリグ著 / 
スタンフォード集中講義 私が20歳の時に知っておきたかったこと)

「常識を疑う許可、世の中を新鮮な目で見る許可、実験する許可、
失敗する許可、自分自身で進路を描く許可、
そして自分自身の限界を試す許可を、
あなた自身に与えてほしい」

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