娘が少し大きくなってきたので少しづつ我慢することや
自制心をどう教えるものか考えたりしています。

子供の自制心と聞いた時に真っ先に思い浮かぶのが
「マシュマロ実験」というものです。
何年か前にEQ (Emotional Intelligence Quotient)という
言葉が、日本を含めて世界的にものすごく流行りましたが
その根拠としてかなりよく使われていたのがこの実験の話です。

マシュマロ実験はスタンフォード大学のウォルター教授によって行われた
世界的にもかなり有名な実験のひとつ。
米国の幼稚園で被験者となる幼児30人ぐらいづつを異なる2つの教室に入れられます。
教室の机の上にはそれぞれマシュマロ1つがのったお皿がすべての子供に配られます。

そこでウォルター教授は15分ほど教室から出て行くと告げて、その際に
「私がいない間にマシュマロを食べずに我慢ができた子には、私が教室に戻ってきた時に
マシュマロをもう1個あげる、もし私がいない間に食べてしまったらあげない」と
いう単純なメッセージを残して出て行きます。

15分後にマシュマロを食べずに我慢できた子供は3分の1ほどで、その後も何十年にわたり、
この被験者の子供のすべての経過を追っていくという長い間かけて行われた実験ですが
結論から言うとこの15分の間にマシュマロには手をつけずに我慢できた子は
その後の人生で大学入学のSATの点数や、生涯収入においてアドバンテージを持つという
データ結果がでたというもの。この結論付けとしてよく言われるのが
人においてはIQ よりも重視されるべきはEQではないかというものです。

ただこのマシュマロ実験はまだ課題も多く、この実験だけでその子の自制心の有無で
あったり、将来性を決めるのはまだ早計であるという学者が多く、個人的にも
抽出したサンプル量や時間が少ないというか、あと数十年ぐらい何人もの
階層のグループをみないと難しいのではという印象を持ちます。

自分の家でも試しに、子供にこのマシュマロ実験を
やってみたりもしたのですが、、、
例えば、朝とかに
「今、このお菓子を食べずに我慢して昼食後まで待てるなら
2つあげるけどどうする?」、みたいな感じで子供に問うのですが、
一応子供は待つ方を選んでくれたものの
正直あまり実感がわかなかったというか、これで本当に自制心コントロールが
磨かれるのかな?という感じであまりピンときませんでした。

ただウォーレン・バフェットも言っていましたが
EQの能力、特に自制心、自己コントロール力、胆力(たんりょく)、
メタ認知能力(客観的に自分を見る力)
というのは確かに大事かなと。
ビジネスや投資においては確かにこういう能力は
IQ以上に重要なのではというのが自分の印象です。

うちの実家の壁には子供の時に
父親が直筆で書いた「一流と二流の差は我慢の差」という紙が
貼ってありましたが去年に実家によった時に未だに貼ってありました。
日本の社会でいう「我慢」というのは正直良いものと悪いものがあるので
何でも大人の言うことを鵜呑みにせずに自分の頭で
慎重に理解をしていく必要があるとは思いますが、一方で自己コントロールや
胆力、メタ認知などはとても大事。
なかなかこういうのは一朝一夕で身につくものではないですが
家で毎日、ビジュアルで見ていたりしていると確かに意識の中で
刷り込まれてはいくのかなと。