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http://blogs.yahoo.co.jp/skpanic/27702481.html
↑(国際交渉で大切なこと)

昔、昔の9年程前にこんなエントリーを書いていました。


言葉があまりできないという状況下でその国で住むという経験をする場合には
想像もしてなかったような大変なことが日々つきまとうと思います。

個人的に思う大切なことは


1)語学の向上を意識しすぎないこと
特に日本でしか語学を学んだ経験がないと語学を勉強の延長線上でとらえがちです。
「語学」という響きがすでに勉強をイメージしてしまうので良くないと思いますが
所詮は言葉なので日本語を上達させていくのとまったく同じです。
すぐに上達はしない反面、1年、2年もいればどんな勉強嫌いでも「それなり」のコミュニケーション能力はつくのであまり心配いらないです。
ネイティブ並みの外国語を話せるような達人もいますが
そういう人は限られた才能の人ですし多くの人はそもそもネイティブ並みの外国語を
誰かに要求されることは一生ないです。
むしろ海外で生きていく場合はそれ以外の能力で何を持っているかの方が
遥かに大切です。
(例:ヤンキースのマー君は言葉はできないですが野球が上手いという
能力があるから海外で稼げる)

むしろ語学の向上を意識しすぎてそこにハマると特に(早口な人が多い)ドミニカ共和国の場合は
上達を実感する機会があまりなく凹みがちになると思います。
あまりそこは気にせずに淡々と勉強し続けるのが大事かなと。






2)置かれた状況をまず理解して手持ちの武器でできることを伝える
その国の言葉ができなくてもとりあえずまずそこでしばらくは
生活をするとなった場合に、そして更にそこで「何らかの結果」を
出すことが必要とされる場合、
大切なことはまず言葉のできない自分を一旦受け入れてしまうことです。
これがとても大切です。日本の言葉では「腹をくくる」という言葉がありますが
まさにそういう感じです。

「腹をくくる」とまず気持ちが楽になるし細かいこと(なかなか上達しないとか」で
悩まなくなります。
そうして次に初めて「じゃあ、そういう状況下でどうすればいいのか」と
考え始めるのです。
人間の脳には本来他の動物と同じく生き残るために必要なことを考えるスペックがありますが
それがようやく活動し始めるようなイメージです。

自分の場合はドミニカに来た当時、日本人駐在は自分1人しかおらず、引継ぎも1週間だけでしたので
まず助けてくれる人が周囲に誰もいませんでした。
ドミニカで道も何もわかりませんし風邪を引いたときすらもどこにいけば
よく分かりませんでした。
アパート探しひとつとってもものすごく苦労したのを覚えています。
それなので常に日本から持参してきた電子辞書をどんな時も常に持ち歩いていました。
道に迷うと本気で帰れない可能性がありましたので地図もどこに行くにも必ず
持ち歩いていましたし一度行った場所は絶対に忘れないようにどこに行くにも集中して
記憶するようにしていました。
迷ったときは電子辞書で必要な単語を拾ってまずは単語だけを一生懸命何度も話すのですが
大部分、これで言いたいことは伝わった記憶があります。
仕事の話では車やトラックの話が多かったのですが日本から東急ハンズで買ってきた
あらゆる種類のミニカーをたくさん持ってきてそれを使って交渉して後は
絵や筆談でしたしそもそも最初からスマートに話そうみたいな発想は全くなかったです。
ある意味そこは完全に割り切っていました。

後は「交渉」では言葉が理解できない分、顔の動きをなるべく追い、
こちらもここ一番の大事な話の時はそれを理解してもらうために
表情を作る努力をしたり
声のトーンやキーを会話の中でポイントの部分に差し掛かった時は
低くしたりすることで意図的に注目させたりいろいろ工夫したのを覚えています。
追い詰められた状況下で身に着けたこのやり方は後になり随分と自分の交渉力の幅を
広げてくれました。

ドミニカに来てまだ4か月後ぐらいのまだ会社員時代だった頃の話ですが
ある日本人担当者2人が出張でドミニカに来られた時に大手ディーラーの会長の
元を一緒に訪ねてちょっと厳しいノルマの交渉をしないといけない場面がありました。
年の差は自分の父親以上ぐらいの相手に話し終わって退席した自分にその担当者の人が
「SKの表情、あれええなぁ。俺もスペイン語全く分からへんけどものすごい真摯に伝わる感あるわぁ」
と言っていただいた記憶があります。
まだドミニカに来て4ヶ月ほど、まともなスペイン語を話せるレベルでは
なかったのですがそれでも周りが「いいよ、いけてる」みたいなことを言ってくれたのは
随分と励みになりました。
当時は言葉がまだ未熟な分、相手と同じ土俵に立つために「何かで」
カバーしていかないといけないと必死になっていたからだと思います。



社会に出ると厳しい制約条件の元で何か結果を出していかないと
いけないという場面が何度も何度もこれでもかというぐらいあります。
自分も20代の頃はこのことが分かっておらず制約条件がある時はその制約条件を除くことに
意識を向けてしまったりもしくはその制約条件に不満を言うこともありました。
(今回のケースであれば言葉ができないので何とかして語学力を向上させることにばかり
意識を向けてしまう、もしくはそんな状況にさせた会社に駐在の待遇を変えろ
などの不満を言うなど)
「真に優秀な人は環境に文句を言わない」と言いますが
20代の頃の自分は環境に不満を持ってしまうこともあり反省することもありました。
今思うのは完全な環境下で物事を行うことはないというのを自覚して
制約条件の元でそれなりにどう成果を上げるかを考えることが
よっぽど重要です。そもそもビジネスの立ち上げは不完全なこと、不透明なことばかりですし
その中で手持ちの武器だけで、手さぐりで突破口を探していかないといけない場面ばかりです。
ただこれが理解できた時に初めて大きなブレークスルーができていくのではと
思います。
そういう点では海外での生活というのはそのことを学ぶのに適した場所かもしれません。


スペイン語を仮に話せるようになったとしてその後、日本に帰国してスペイン語の能力を使うのは
スペイン語圏の人達と仕事をするか、恋人を作る場面かなどその程度です。
だけど「厳しい制約条件の環境下でどうするか考え続ける力」と
いうのは今後の長い人生のあらゆる
場面に使えますしそういうマインドは時に人生に決定的な影響力を持ちますので
そういう発想で前向きにやることが大事だと思います。










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