急成長企業のジレンマ

｢ザッポスの奇跡」という書籍を読んだ。
米国のアマゾンをも一目おかせたインターネット企業・「ザッポス」について
語られたこの本。

その中で目にとまったのは「急成長企業のジレンマ」という点だ。
ビジネスを生み出した時、その孵化期というのはそのビジネスが機能
するのか保障がない時期だ。その時期は機能させるために
必死になる。時に各部分の歯車が狂うと、その一部分の修復に追われる。そしてその
修復が完了したらその部分の補強のために今度は走り回り再度補強を
完了させる。網の目のようなたくさんのケースからひとつの重要なポイントだけを
探し出し抽出させる。仮定と検証を繰り返す。
去年の春ー夏場頃は夜の３時ぐらいまで毎日仕事に追われていた。
そういう時期だった。

補強が完了してくると今度はビジネスが安定し成長を開始する。そこでちょっとした
ジレンマが生まれる。成長し始めると今度はそれに伴う問題が出てくるからだ。
それを今度は解決させるために修復に追われる。

その後、ビジネスは安定期から今度は拡大期につながる。
ビジネスが拡大期になると今度は左うちわか。
残念ながらそんなことはない。拡大をしてくると今度はそれに伴うジレンマも出てくる。
小さいビジネスのうちは問題なかったものが拡大したら通用しなくなる
部分もあるからだ。
ビジネスが衰退する理由のひとつはその拡大時期に適したやり方を考えだす前に
ビジネスがコントロール不能になるからだと思う。

ビジネスというのは生き物みたいなものだ。
生き物は絶えず変化を続けて大きくなるとそれに見合った「住み家」を探すようになる。
ビジネスに飲み込まれてしまうのか、それともビジネスを飲むことが
できるかそれは企業にとっても最初の難関だ。

今だからこそビジネスとしても人間としてもより大きな成長が必要だ。
本当に今、もっと成長していきたいと思って毎日に没頭している。

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「ザッポスの奇跡」より

会社が孵化期を経て、さあ今にも殻を破って空に飛び立とうという時、経営者は
日々湧き上がってくる新しい難題に目を奪われがちだ。目先の問題を
やり過ごすことばかりに夢中になって、長期の展望を失ってしまうことも多い。

創業期には、誰も「企業文化」のことなんて口に出して話さない。その必要がないからだ。
たいていの会社は、家族や、気心の知れた友人や知人が集まって興される。
共通の展望があり、価値観があり、ライフスタイルがある。
朝から晩まで、三食を共にして、夢を語り合う。
しかし、幸いビジネスが軌道に乗り始め、「突発的」とでも言える成長を経験し始めると、
経営者は「切迫した要求」に追い立てられることになる。
「的確」な人材を一刻も早く雇うために、経験があり、「即戦力」があると思われる
人間を次から次へと雇いいれる。その人間が「ちょっとカラーが違う」と思っても
それには目をつぶる。どうしても、学歴や職歴だけを頼りにした人選に走りがちに
なる。モメンタムを掴もうと思ったら、選り好みしている暇などないと考えるからだ。

会社が２倍、３倍にも膨れ上がろうという時、「忙しくて、考えている暇は無い」
とアクションにひたすら没頭してしまうのが自然の傾向だ。
しかしこれこそ成長企業にとって第一の難関なのではないかと思う。
これをどう乗り切るかによって、１０年先、２０年先の会社の将来が決まるのでは
ないか。こういった時こそ、「ちょっと待てよ」とあえて立ち止まって
じっくり考える、というのが経営者の役目ではないかということを、ザッポスの
例は教えてくれる

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