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自分はサイバーエージェントという会社の株を数年前から持っているのですが
前に友人にその話をしたら銘柄選択でYahooや楽天とか何故買わないのかという話に。
確かに知名度はYahooや楽天の方がありますよね。
ただ自分が株式を購入する目線はできるだけ財務諸表の分析から見る
バリュー型の投資を意識してのもの、またどちらかというと現状は自分の勉強のため
というのもあり、また自分が好きな会社を応援したいという意味もあります。
(また自分の中ではどちらかという株は投資としては2次的なポジションのため
一番重要なのが財務諸表の分析が様々な角度からできるようになることが重要。
特に日本の株は配当少ないですし)

例えばサイバーエージェントの株の財務分析をしてみると



①BPS(Book Value Per Share / 1株あたりの純資産)が3万7千円の株を
5万円前後とかなり割安の時期に購入できた。サイバーエージェント株の魅力はここにつきる。
将来性を考えた時に大きな魅力を感じます。
ちなみに今日現在で9万5千円まで株価は上昇している。
ただValue 投資、財務諸表の分析を33歳までに極めるという目標があるので
自分はあくまで値段が上がろうが下がろうが関係なく
長期保有重視でディトレード型の投資とは別で株を分析していきたい。

②流動比率(流動資産と流動負債の比率)は200%を超えている。この点に対しては
財務体質は悪くない。当座比率も100%以上をキープ。

③キャッシュフローについては営業キャッシュフローが
697百万に対しての投資活動によるキャッシュフローが873百万、
なので営業活動によるキャッシュでは賄えず外部調達、もしくは過去の内部留保からの
資金流入があると思われます。
財務活動によるキャッシュフローはマイナスで1717百万。
今回は自己株式取得による支出がこのうちの半分を占めている。
(一般的には自己株式を取得すれば市場に出回る発行済み株式総数が減る
=供給側が減るのでその分需要が増えて株価は上がる。株主としては悪くない)
2007年、2008年は投資にかかる資金が営業活動によるキャッシュフローの
倍ほどかかり、他の外部資金で賄う状況が続いておりますが(配当金はその分弱含みということもあり)財務体質自体は健全。
これ通年化していると良くないですが2006年、また2009年はこの状況とは異なる。
自分でビジネスをやられている方はご存じのごとくこの営業で得た
キャッシュフローでいかに新たな投資活動をしていくかという判断が一番重要かと。
自分も内部留保よりもガンガン投資していきたいというタイプなので
自分の心にもブレーキをかけるバランス感覚を持ちながらこの種のIR情報を見る時も
「どういうことを考えながら行われているのかな」と想像しながら財務分析をしている。

④自己資本比率は2007年まで50%を超えていたが2008年からは
40%まで落ちており借入金への依存が増えてきている。
キャッシュフロー計算書と見比べると営業から得るキャッシュフローのほぼ倍の金額の
投資キャッシュフローが流出している。将来への投資活動のために自己資金にプラスしての
他人資本が増えていることが分かる。

同社の投資による新たな活動状況は?

実際にサイバーエージェントは若い会社だけあって新規商売にはかなり積極的な
印象を持ちます。2009年も経営者の判断では「景気の悪化時は新規商売をしこむ絶好のチャンス」
という判断で新たに4つの新規事業を開始している。
私自身としても経済が落ち込んでいる時は必ず新しいことに取り組む必要があるという
考えがありますので非常に共感ができます。
ただ事業活動の結果はかなり重要ですので今後も注視したいなと。

⑤正味運転資本金は平均で200億前後

⑥ROE(Return on Equity、株主資本利益率)については2007年は
8%以上を記録していますが、2008年は経済悪化もあり7.3%。
2009年も大体7~8%でこれが一番の悪い部分。
理想は15%~20%なので半分にも満たなく自分が投下した資本からの
リターンが少ない。ROEについてはあくまで計算の指標となるのは
「自己資本について」。当期純利益÷自己資本=αでの計算になるため、
他人資本に依存している会社でも決算対策でROEの値を上げるためにからくりを作ることが可能。
同社は自己資本比率が現状は50%を切るのでその点も懸念材料。
今後の新規事業が軌道にのり自己資本比率があがればさらなる株式買い増しも考えられる会社。

平成20年はPERが著しく落ち込んだ時期であり、BPS同様に買い時でしたが
今期は回復基調。

現状のROEはあまり良くない、また自己資本比率が50%を割っているなどの
マイナス面が目につきますがBPSから判断して将来の可能性を考えると面白い。
社長の藤田氏、経営陣一同はサイバーエージェントを「21世紀を代表する会社にする」
という大きな目標を持っているのも魅力。
後、個人的に一番この会社の投資に興味を持ったのは
「強烈な企業文化」を持っていること。
チームワーク、目標へのコミット力、各社員の強力な成長意欲、
そして何よりも人の上に立つ人たちの人柄と器の大きさ、など
この会社の企業文化の良さ、強烈さは目を見張るものがあり
自分の中のお手本の会社です。
経営陣一同、ほぼ全ての社員が自社サービスのアメーバブログで日々の仕事の内容、
考え方をつづっているので透明性が高いのも魅力です。
僕の中の鉄板本の一つであるジェームズ・コリンズ著の
「ビジョナリーカンパニー(世紀を超えて存続する会社の共通点を洗い出し分析した本)」
の中の一つに宗教に近いような強力な企業文化を持つことがあげられていますが
サイバーエージェントはこれにあてはまる気がする。


ちなみに同じ業界の怪物、Yahooや楽天の財務諸表を見ると



(Yahooの場合)
①BPS(Book Value Per Share / 1株あたりの純資産)は約4千円前後。現在の株価は
3万円強。サイバーエージェントと比較すると発行済み株式総数が桁が2つも多いので
1株あたりの純資産はどうしても割安。Value投資をするには少し厳しい。もう少し株価が安ければなぁ。まあ一流会社ですでにできあがっている会社はこんなもんです。。。

②当座比率は108%、流動比率は150%で経営内容は安全。

③キャッシュフロー分析と傾向
2007、2008年は営業活動によるキャッシュフローから投資活動へ回した分は
約20%(2007)、約60%(2008)となっている。
その間の株主への配当性向は分からないですが少なくとも
新たな投資活動はかなり抑えていた印象です。
平成21年はその分、財務活動のキャッシュフローが大きくマイナス=借入金を
大幅に返済している分に充当しているので今後の投資活動や
新規のビジネスの動きをどうしていくのか注視したいところ。

④自己資本比率は2007年67%、2008年は75%と非常に高い。財務体質は安全そのもの。

⑤正味運転資金は約500億前後。

⑥ROE(Return on Equity / 株主資本利益率)については
2007年は25%、2008年31%、と優秀。
自己資本比率も高いのでROEとセットで見ても財務体質がかなりすぐれている。
IR情報を見ていても株主を相当高い目線で意識しているのが伝わる感じがします。



次は楽天。IRの資料に目を通してみると、、、


(楽天の株式)
①BPSは約1万円強に対して株価は6万強。高い。
PERは自分はあまり重視せず参考程度ですがこれも割高。

②流動比率(流動資産÷流動負債)は105%ほどで目安は150%なので
やや低いですが当面の資金繰りは大丈夫かと、
ただ当座比率については10%ほどしかなく資産については証券業に対しての
預託金や保証金にかなりの資産が流れており不安定。

③キャッシュフロー分析
営業活動におけるキャッシュフローがマイナスであり、投資活動におけるキャッシュフローの
大部分は借入金にてまかなう状況が続いている。
財務体質がここ数年悪い。

④自己資本比率
15%と極端に悪いです。

⑤ROEについては平成20年度の純利益がマイナスに転じている、またROEの計算の
前に株主資本の項目を見ると利益剰余金がここ何年かマイナスが続いている。
会社として利益が出てない状態が続いておりこの分の資金を資本金、資本剰余金=
株主からの出資金、増資資金でカバーする苦しい状況が続いている。

楽天は財務状況の抜本的改善、キャッシュを生み出す新規事業の構築が必要と
されているよう。





まだ財務諸表の自分の見方は浅くこれから更に極めていきたい。会計や財務諸表の中にあらわれている矛盾点の見極めや財務諸表から見る会社の将来性などの見分け方、この辺りの自分の分析マシーンの精度を上げていくのが現在の課題。
ただこれは多くの財務諸表を見比べながら地道に勉強していくしかないですね。

今日は朝早くから起きて3社の過去数年のIR資料を見比べていたので
さすがに脳が疲れた。






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(株)リクルート / AB-ROADで
ドミニカ共和国、カリブ海のABガイドとして記事を書かせて
もらっています。
ブログでは書かれない観光情報等、内容が満載なのでぜひ


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