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中国銀行業監督管理委員会(CBRC、日本で言うところの金融庁)によると、
2008年末の商業銀行の不良債権比率は2.45%となり、
年初に比べ3.71ポイント低下した。政府主導で不良債権を進めた結果、
同残高が5682億元(約7兆5000億円)と、1年間で7002億元
減ったためだそう。
世界的な金融危機にみまわれた2008年においても中国の金融業界は
順調に健全化を迎えている。先日米国のポールソン財務長官が「世界的金融危機の
責任が中国にある」と伝えたことで中国のメディアから大きな批判を受けているが
いずれにせよ中国の金融業界が世界とは異なる道を推し進めていることが
数値からはうかがえる。

中国が不良債権処理を急ぎ始めたのは2003年あたりからと言われておりこれは
2006年末の銀行業務が全面的に外資に解放されるいわゆる「中国式ビッグバン」に
あたり中国の銀行も外資との競争に備えて不良債権処理にめどをつけようとした
からです。

中国の与信枠の全体の過半数を占めているのは4大国有商業銀行(中国銀行、中国建設銀行、
中国工商銀行、中国農業銀行)ですが2001年末時点では不良債権比率は
25%もあった。これが2006年末になった時点では1兆2827億元であり
不良債権比率は7.53%。時系列で比較していくと中国の2008年末の不良債権比率が
いかに急ピッチで進められてきたかがわかります。

不良債権の減少の一端を担ったのが外資系金融機関。嗅覚の鋭い外資系金融機関などは
中国がWTOに加盟する以前から同国の不良債権ビジネスに進出しているよう。
2001年に最初の不良債権の国際入札が行われておりこのときはモルガン・スタンレーが
108億元で落札。その後もシティグループ、ゴールドマン・サックス、UBSウォーバーグ
など世界になだたる金融機関が随時落札。
当時はそれだけ不良債権ビジネスが中国にて大きなマーケットと見られていた。
日本の金融機関はリスクが大きいということもあっていくどこのマーケットには決断&参入が
大幅に遅れた形。

一つだけ懸念があるとすると中国の場合は不良債権比率の低下は不良債権を資産管理会社
に移した効果が大きいといわれていること。AMCs ( Asset Management & Consulting Service )
と呼ばれる資産管理会社が抱える分も含めてとらえる必要がありそれらを含めると
まだまだ効果は限定的との見方も。

いずれにせよ今後は中国の金融機関の動きが世界全体の動き、世界全体のポジションを
決めていくとも言われている昨今、目が離せない状況が続きそうです。



PS:写真は改革解放を伝え「先富論」を唱えた鄧小平の写真。
この人が生きていたら現在の中国を目を細めて見ているかも??



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(株)リクルート / AB-ROADで
ドミニカ共和国、カリブ海のABガイドとして記事を書かせて
もらっています。
ブログでは書かれない観光情報等、内容が満載なのでぜひ


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