震災地からのレポートで犬や牛が放置され歩いている姿を目にする。

いずれも飼主が連れて行くことが出来なくて放された動物たちであろうと思う。

ありがたいことに牛は草食動物であるから、その辺の草を食べて最低限飢えをしのぐことはできるだろうが、牛たちは随分痩せていた。


乳牛の場合は、泌乳期にある牛は毎日搾乳してやらなければ乳房炎を発症して放置すれば死に至る。搾乳しても出荷できないから廃棄したニュースを数多く見た。

業界ニュースを見ると3月11日から4月8日までの29日間で3万3千トン(乳代で33億円分)を廃棄したというから、日乳量30キロで計算すると3万8千頭の牛乳を毎日捨てたことになる。

そのうえ、搾れずに放置された牛たちも数多くいたはずだ。


避難地域とか計画避難とかいう指示に従わず、牛たちの世話に残ったり通ったりする酪農家もいて、人間は勿論、牛も悲惨なことになっている。

物言えない動物であるだけに可哀想なことだ。


人気のない所を子牛を連れて牛たちが集団で歩いている光景は一生忘れない。