東日本大震災が発生して1ヶ月が経過したが止まる気配がない。

世界中のひとが被害に心を痛めている。

俳句の世界でも朝日俳壇が募って多くの震災の句が寄せられていた。

俳句を詠む人なら何とかしてこのことを思いに残しておきたいと思ったはずだ。

私の身の回りで触れることが出来た句をここに、謹んでご披露申し上げておきたい。

 

閑谷の春の勢ひも怖ろしく    

昼下がり花こそ疲れをりにけり  富阪宏己

 

涅槃図を掲げし寺も呑まれけり   穴魯愚

花冷を遠ざけてゐる日差かな    穴魯愚

風船に大き過ぎたる青い空     えつお
亀鳴くや歩くほかなき地震のまち  今日子
春暖炉涙くちびるまで届き     樹里
アルバムの笑顔にぬぐふはだら雪  純子
荒ぶる日無きが如くに春の波    蒼天
天気図に風の矢印春の地震     のりこ
胸にだく卒業証書地震の痕 ふさこ
残されし山河ありけり初桜     ひとみ

被災地に迷彩服のあたたかし    ひとみ
ふらここの誰もゐなくて揺れてをり 雪蛍
泥濘の巷にすさぶ春北風(ならひ)  旅遊
黙祷のあとの静けさ春の雪     露草


三月の海見晴るかす読経かな

亡き人へ万の雁風呂用意せむ    笑禄