禁煙を始めた人は、禁煙をした時間の長さを誇らしく人に言う。

1~2日の内は、時間単位だ。
6時間禁煙した。24時間できた。

ところが、2~3日になってくると48時間とか72時間ではどうも計算が面倒だ。
第一恰好がつかないから3日間とか4日間とか、
「日にち」単位になる。

その上は、「週」単位だ。
禁煙もこの辺になると、2週間と何日などとみみっちい事は言わない。
大仰に2~3週間は止めているなあとなるのだ。

そして、2~3週間にもなると、今度は週単位で言うことが恥ずかしくなる。
つまり、「月」単位へ昇格する。
禁煙も丁度「ひと月」になったか! 遥かに来たもんだ。
という具合だ。
2~3ヶ月もたてば、この分で止めれば本物になるなどと言い出す。
が、大抵の人がこの辺で挫折する。
私の2度経験した。(内緒だが)
 
先日、昼飯屋で、我田引水の禁煙話をしていたら、久しぶりの顔見知りが話に入って、堂々と
「わしは、止めて4年になるが、この頃は痰がひとつも出んようになった」と
年単位の話で、大人(おせ)をする。

半年の域を超えれば後はもう「年単位」なのであろう。
私はまだ未知の世界なので、なんとも偉そうには言えない。
 
年単位の上は何なのだろう。
止めた長さをそもそも計らない心境になるのだろう。

それより、5年も禁煙すれば、禁煙することによる寿命の延長と加齢による寿命の短縮がどっこいどっこいということで、数えることを止めるのだろう。

禁煙は人から言われてやるものではない。
言われれば止めたくなくなる。
これが「男の美学」というものだ。