母の弟といっても私より2歳上でしかない叔父だが、「間質性肺炎」という初めて聞く病名であっという間になくなった。
母の里だから子供の頃から兄貴分で一緒に育った兄弟のようなものだった。
 
息苦しいから病院へ行ったら肺が真っ白で、即入院せよという。
そのうえ、普通の肺炎のように抗生物質で
バンと抑えられるような肺炎とは違う、打つ手がない肺炎だということで、1ヶ月ほどの入院で人工呼吸器の中でなくなった。
途中から睡眠薬を投与していたから苦しみはなかったろうが・・・。
 
叔父はタバコを吸わなかった。でも、タバコは止めろと遺言した。
タバコを吸わない程、気をつけた本人が簡単に死んで、人にタバコを吸うなというのも可笑しなことだと、屁理屈をつけたことだった。
 
しかし、周りからも言われて、こういう折でないとわたしも禁煙はできない、動機と理屈で動く人間だ・・・と、一念発起して50年の習慣に終止符を打つことにした。
 
丁度、定期健康診断の時期だったので、急遽オプションで「肺のCT」を入れた。
ところが、こともあろうに数日後、検診の結果が送られてきて、
CTの結果、あなたは、「間質性肺炎」の疑いあり、要精密検査ですとあった。
ギャフン。
 
1週間後、かかりつけの病院の紹介でK病院へ行くと再度CTで精密検査の結果、
「はい、あなたは「間質性肺炎」に間違いありません。禁煙くらいですむかどうか1週間後に「肺カメラ」を飲んで組織検査をしたいが、やるかやらないか?
アメリカでは「間質性肺炎」は種類もいろいろあるが治療の方法としてはひとつ、「肺移植」としか書いていない病気です。たまたま、今日、岡大病院で「肺移植」が行なわれるようですが、肺移植なんて簡単にできるものではないことは分かりますよね。もう少し調べたいがどうだ? 肺にカメラ入れるかどうか?念のために一泊になりますが・・・」などと驚かす。
 
それで、前回のブログに書いたように、その1週間後に1泊肺カメラ検診を受けた。
更に1週間後の本日、その結果拝聴というわけである。
 
結局、禁煙をしていてよかったと言うことになった。

ひとつは、禁煙と俳句の本のお蔭で1泊検診が苦しくなかった。
この頃は、病院では敷地内は全部禁煙と厳格になっている環境へいきなり
「無防備」に禁煙に突っ込んでいったらとんでもない悲劇になるところだった。
 
そして本日、肺組織の検査の結果、すぐには死なない「非特異性間質性肺炎」
との診断で、「禁煙」だけで直りそうだ。薬も飲まない。
3ヵ月後に始めた禁煙の成果をCTで見よう・・・・。
というような、ほとんど無罪放免に近いような診断を貰った。
 
禁煙のおかげだ。
叔父の遺言のおかげだと思っている次第だ。
禁煙の苦しい所を抜けたタイミングであるだけに、まことに軽やかな診察であった。
シャンパンの祝杯と一本紙巻でいいから深々と吸いたいくらいだ。