ついに赤毛のアンシリーズ、第一巻の赤毛のアンから最終巻のアンの娘リラを読み終えた!
でもこの後に、「アンの思い出の日々」上下巻があるらしい。
アンの娘リラが、こんなにも暗く悲しいなんて読み出したころには思いもしなかった。
と言うのも、ストーリーの中心は第一次世界大戦だから。
タイトルの通り、アンの末娘リラが主人公。
リラの名前は、アンを育ててくれたマリラから取られたもの。
そのマリラもすでに亡くなっていてショックだった。
どのようにどうして、その時のアンは。。。と気になるけど描写は全くなし。
前作の虹の谷のアンの中で、まだ子供のすやすやと眠るウォルター(アンの次男)の頭上の壁に
窓の格子の影が十字架の影になっていたことを、
アンはコースレットの戦場の悲劇での暗示だったのではないかと後になってから思ったと書いてあるので、
薄々分かっていたけど、その知らせが来た時は私も
ウォルターは、アンの繊細な感受性や文学的才能を最も受け継いだ子供。
勇敢でリーダーシップのある長男ジェムは、戦争が勃発すると真っ先に志願して戦地へ赴いた。
(他の青年も続々と志願する。)
ウォルターにとって戦争が意味するものは忌み嫌うものであるが、
残忍なことに耐えられない彼も自ら出征することになった。
彼がまだ子供の頃に見た笛吹の男(死神の象徴)の話がなんとも嫌な予感をさせる。
リラは大好きな兄二人を戦地へ見送り、好意を寄せていたケンまでも行ってしまう。
そして三男のシャーリーまでも。
アンは悲劇に打ちのめされちゃって読んでて辛いわ
そしてジェムの愛犬マンディの行動が本当に泣ける
第一次世界大戦は1914年から1918年の間で、リラは14歳から19歳に成長する。
戦争さえなければ、最も楽しい青春の時期だけど、
戦争孤児を育てたり赤十字少女団の運営に忙しく、アンを支え愛する家族やケンを一喜一憂しながら待っているうちに、
一人前の女性へと成長していく。
緊張すると舌足らずになってしまう癖があり、
再会を果たしたケンから問いかけられ、リラの答えが本当に本当にかわいい。
この戦争が始まった時は、数ヶ月で終わるだろうと考えられていたが、
戦車、毒ガス、潜水艦などの新兵器が登場し消耗戦となり、
西部戦線が塹壕戦だったため膠着状態にもなり4年も終わらなかった。
カナダは英連邦の一員として参戦し、6万人のカナダ軍兵士が戦死した。
100年前の戦争だけど、今もなお戦争は起こっている。
人間がいる限り戦争はなくならない。
今の戦争も終わる気配は見えてこない。