読書家ではなく蔵書家にならないように少しずつ本を読んでいます。

 

2021年7月に上梓された当時の佐藤優氏独特の国際問題の分析に触れることができますが、もう2024年3月なので2年半以上経ってしまっています。まだコロナ禍が猛威をふるい、ちょうど順延された東京オリンピックが恐る恐る開始された頃ですね。


わりに頁を費やされているのがミャンマー情勢です。クーデターを起こして政権を奪取した軍部ですが、それを非難して制裁を加えるだけでは中国側に走ってしまうのをみすみす許してしまうので、欧米と一線を画した難しい対応が日本には求められています。ミャンマーは昔の援蒋ルートに位置しており中国がインド洋に出るために地政学的に重要な国です。

ロシアともそうした戦略的な外交関係が領土問題も絡めて必要とされてきましたが、事ここに至ってしまっては厳しいでしょうね。


国際問題における宗教の役割なども解説されており、ネットニュースなどで読んだ知識をつなげたり裏を知ったりして、当時の課題を多角的に捉えるのに一助となる本です。