秩父三十四観音の最終札所はいちばん北端にあり、徒歩で回ると第33番札所から3時間半かけて峠越えをしなくてはなりません。公共交通機関でも秩父鉄道の皆野駅からバスになります。
 

日沢山水潜寺

■曹洞宗

■御本尊:千手観世音菩薩

■埼玉県秩父郡皆野町下日野沢3522

■秩父三十四観音第34番

 
大旱魃に苦しむ村人が旅の僧の指示で観音さまに祈ったところ水が湧き出て豊作となったそうです。御本尊の千手観世音菩薩像は伝教大師の作と伝えられています。
奥の石灰岩の岩壁には「水潜りの岩屋」と呼ばれる小さな鍾乳洞があり、そこで巡礼を終えた人々が身を清めて胎内くぐりをして再生して俗世に還るのが習わしとされていましたが、現在は崩落の危険があり立入禁止となっています。

 

 

私は徒歩での巡礼では無いので行きはタクシー、帰りは路線バスで皆野駅に出る予定を建てていました。

「日本百観音結願所」と石柱があり、そういえば坂東も西国も思い返すと色々あったなぁと感慨ひとしおでした。どこも記憶が薄れてきていますし、時間をかけてゆっくりまた回ってみるのも一興ですね。
 

 
 
参道を進んでお堂に向かう途中も山の中だったので、クマ注意の看板が立っていました。
 
 
大きな唐破風向拝のついた観音堂。1828年に建てられこちらに御本尊の千手観世音菩薩像が祀られています。
 
 
縁起の奉納額。第33番札所から徒歩でやってくる時に越える峠が札立峠です。
 
 
ただ札立峠付近はクマが出ているようで要注意です。
 
 
 
手水鉢。水潜りの岩屋の水が引かれているそうです。
 
 
奥に見えるくぼみが水潜りの岩屋らしいのですが立入禁止でよく分かりませんでした。長さが5mある小さな鍾乳洞で天井から水が滴り落ちてくるそうです。
ここの崖は泥岩にチャートや石灰岩がバラバラになって混ざったメランジュ(混在岩)と呼ばれています。
 
 
結願所らしく奥には色々な石碑が立っています。
 
 
先ほどの観音堂を横から。
 
 
その横にある讃仏堂。千手観音と共に西国を表す阿弥陀如来、坂東を表す薬師如来が祀られ納経所も兼ねているようですが、この日は閉まっていて書き置きの御朱印が置かれていました。
 
 
百観音結願堂。
 
 
 
水潜寺はこの日は無人で他にひと気も無く、何だか少し寂しい結願になりました…。
帰り道に白梅がちらほら咲いていました。
 
②に続きます。