2022/6/4(土) 0:25~、1:46~
2022/6/12(日) 0:25~、1:36~
NHK総合「ザ・商社」
原作・松本清張「空の城」
松本清張没後30年のドラマ再放送企画の第3弾です。前半の録画を見終わりましたが昭和の高度経済成長期の脂ぎったエネルギーがほとばしる期待通りの力作です。
十大商社のドン尻だった江坂産業は前近代的な社風が良くも悪くも色濃く残る総合商社でした。
社主で創業者一族の江坂要造は人事権を掌握していますが、趣味の骨董買いと若い芸術家へのパトロネージュに傾倒していて経営にはあまり関心がありません。またこれと見込んだ社員に目をかけて「ファミリー」と呼ばれる派閥を作って囲い込んでいます。
江坂アメリカの日系二世の社長・上杉はやり手の独断即決型ですが、社内の派閥からは浮いていて英語屋と軽んじられていました。そこで自らの実力を示すべく、アメリカの怪しげなレバノン系の政商・サッシンの製油所と石油代理店契約を結んで、江坂産業には全く未知の石油市場への参入を目論み、前のめりに突き進んでいきますが…
江坂アメリカの社長、上杉(山崎努)。今回の企画第1弾「けものみち」にも出てきましたが、暗い影があって謎を秘めたやり手ビジネスマンの苦み走った演技が光ります。
江坂産業の社主・江坂要造(先代の13代目片岡仁左衛門)。今の15代目片岡仁左衛門(片岡孝夫)さんのお父さんですね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220605/21/skkz3351/7b/ba/j/o1080079115128687304.jpg?caw=800)
江坂に突然呼び出されてピアノを演奏するよう言われ、弾き終わった後にアメリカ留学の面倒を見ると言われて驚く、恵まれない若いピアニストの松山真紀(夏目雅子)。
純粋な芸術家へのパトロネージュだったら格好いいのですが、ドラマを見ていると(本人は割り切っていたようですが)体の関係も持っていたようで、何か金持ちの気まぐれの道楽や愛人関係みたいに俗悪に見えてしまうんですよね…。それでも恵まれない才能ある芸術家にとっては千載一遇のチャンスだったんでしょうか。
他にも佐藤慶、勝野洋、水沢アキなどが出演しています。