石光山石山寺
■東寺真言宗
■御本尊:如意輪観音
■滋賀県大津市石山寺1-1-1
■札所:西国三十三ヵ所第13番、
江州三十三観音第1番、
近江西国三十三観音第3番など
 
石山寺は琵琶湖から唯一流れ出る川である瀬田川の右岸にあり、本堂は国の天然記念物に指定されている珪灰石の巨大な岩盤の上に建っています。
 
747年、聖武天皇の発願で良弁が如意輪観音をお祀りしたのが起源とされます。京都・清水寺や奈良・長谷寺と並ぶ有数の観音霊場として賑わい、蜻蛉日記や更級日記、枕草子、和泉式部日記など日本を代表する古典文学作品にも登場します。紫式部は当山参篭の折に源氏物語の着想を得たと伝えられています。
 
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京阪電鉄・石山坂本線の石山寺駅(別に京阪石山駅という駅もあるので注意)から瀬田川沿いを10分ほど歩くと東大門(国重文)に到着します。門前には箱に並べられた餅の上に餡が塗られた「石餅」の店もあります。
 

 
参道沿いの新緑と残っている桜が瑞々しいです。
 
 
参道脇の非公開の塔頭のお庭をちょっと覗くと、これまた端正にまとまっています。門から覗くと門という額縁に入った箱庭のように見えます。
 
 
参道に並行して流れている側溝も、石垣と緑のベルトに挟まれて庭園の小川のように整った風情があります。
 
 
大黒天堂の脇の青もみじです。秋も美しいでしょうね。
 
 
反対側には枯山水の石庭がありました。
 
 
手水鉢の下は池になっています。奥には不動明王も祀られていて豪華な手水舎です。
 
 
こちらの観音堂には西国三十三ヵ所の全ての尊像が祀られています。
 
 
毘沙門堂は1773年に建てられ、兜跋毘沙門天像が祀られています。
 
 
蓮如堂(国重文)は硅灰石の崖に迫り出して建っている(清水寺のような)懸造の建物です。
 
 
珪灰石の露出した崖の上に多宝塔を見上げたところです。中国の山水画のような構図です。
 
珪灰石(けいかいせき)は化学組成がCaSiO3で、石灰岩に花崗岩などのマグマが貫入してきた際にその接触部にできるケイ酸塩の鉱物で、輝石に似た構造を持ち絹糸のような光沢を放ちます。
 
 
宗祖の弘法大師、開山の良弁僧正などをお祀りした御影堂(国重文)です。単層の檜皮葺で、室町時代初期に建てられました。
 
 
蓮如堂の横から本堂(国宝)を見上げたところです。奥まっていて全体構造が分かりづらいですが、正堂と礼堂を合の間でつないだ形になっていて、正堂は1096年、他は淀殿の寄進で1602年に建てられました。
 
礼堂は傾斜地に建っていてこちらも懸造りになっています。下に少し柱が垣間見えますね。
 
 
本堂を上から見たところです。
 
 
その②に続きます。