観に行ってきました
映画
『ぼくは君たちを憎まないことにした』





2015年のパリ同時多発テロ事件で
最愛の妻を失ったジャーナリスト
アントワーヌ・レリスが
事件発生から2週間の出来事をつづった
世界的ベストセラーを映画化した作品

実話を元にした内容だし
このタイトルから
単に
お涙頂戴の《イイ話》だろうと想像して
のほほんと観ていたのですが
とんでもない❕
とても奥深い話でしたショボーン

いつもと変わらぬ日常

最愛の妻エレーヌが
「なるべく早く帰るわ」「また後で」
そう言って
ライブイベントに出掛けた夜
まさかそれが最後の会話になるなんて
思いもよらなかったアントワーヌは

テロ襲撃による多数の犠牲者のため
エレーヌの安否も判らず
担ぎ込まれた病院を
探し当てるのにも苦労し
苛立ちと焦りで幼い息子にも
声を荒げてしまいます

事件の夜から2日後
エレーヌの遺体と対面し
悲しみや苦しみや不安を抱えながらも
SNSに
「ぼくは君たちに憎しみを贈らない」と
書き込み
一晩で20万人以上がシェアするほど
多くの人々に感動を与えた
このメッセージは
パリの人々にテロに屈しない団結力を生み
国内のみならず
海外のメディアからも数多くの
取材を受けることになるのですが‥…

最愛の人の命を理不尽に奪われ
それでも遺された者が
幸せに生きることができれば
同じようなテロリストは生まれない
彼らの目論見は失敗に終わる

SNSに書き込んだ時の
アントワーヌのその言葉は本心だし
とても尊く美しいものでしたが
マスコミに取り上げられ
世間に注目されればされるほど
その言葉が一人歩きして
アントワーヌの心を蝕んでいく様は
あまりに痛々しく
観ていて苦しくなりました

マスコミや世間が称賛すればするほど
“今現在”の本心を表に出せなくなり
どんどん追い込まれていく
被害者遺族が
周囲の『善意』によって
また別の形の十字架を背負わされているようで
世の中の残酷な一面を
垣間見た気がしました


関心ある方は
是非ご覧になってくださいねウインク

それにしても
息子のメルヴィル役のゾーエ・イオリオ
(撮影当時は3歳)が
とにかくめちゃくちゃ可愛いの~ラブ