一気に秋めいた雨の東京
こういう日にうってつけの場所は
『国立新美術館』
地下鉄千代田線「乃木坂」駅直結
雨に濡れること無く館内に行けるのは
とても有難いです

午前中の早い時間に到着
現在開催中の企画展は
国立新美術館開館15周年記念
『李禹煥』
展覧会ホームページはこちら

私は李禹煥さんを存じ上げず
前知識もなく飛び込みで
作品を鑑賞しました
1960年代から現代美術に関心を深め
本格的に制作を開始
そのなかで
自然や人工の素材を
節制の姿勢で組み合わせる
《もの派》と呼ばれる動向を牽引し
すべては相互関係のもとにあるという
世界観を
視覚芸術だけではなく
著述においても展開した方だそうです
芸術をイメージや主題
意味の世界から解放し
“もの”と“もの“
“もの”と“人”との関係を問いかけ
世界のすべてが共時的に存在し
相互に関連しあっているーーー
世界中が
新型コロナウイルスの脅威にさらされ
世界は人間中心ではないことに
気付かされた、今
李禹煥さんの思想と実践は
確かに
啓示に満ちているものなのかもしれません
今回の企画展では
《もの派》にいたる前の初期作品から
彫刻の概念を変えた
《関係項》シリーズ等など
代表作が一堂に会しており
新作も出品されています
ユニークだったのは
直に作品の上を歩けるものがあったこと
展示風景:「李禹煥 レクイエム」展 2021年
や
展示風景:「ル・コルビュジエの中の李禹煥
記憶の彼方に」展 2017年
では
グラグラと動く石畳が
カタカタと音を鳴らし
あたかも私自身が
作品の一部になったようで
ワクワクしました

屋外にはステンレスの巨大アーチ
室内に戻ると
《対話》《応答》と名付けられた
美しい作品が飾られていました