8月15日

77年前のこの日の正午
昭和天皇がポツダム宣言を受諾し
終戦を国民に告げる
『玉音放送』がラジオで放送されました

私の恩師・平山一夫先生は
当時10歳
長崎で被爆され
その経験から
戦争や差別の愚かさ悲惨さと
平和の尊さを描く作品を
数多く作られてきて

私の両親も同世代なので
幼い頃から
何となくですが
大切なことだと認識していました

恩師のもとで芝居を学び
演劇活動を始めると
玉音放送を使用する舞台に
出演することも増え
良く耳にする
「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」
というフレーズを
抜粋して使用していましたが

およそ4分半の放送は
漢語が多く使われていて
意味を良く理解できていなかったのが
実状です

そんな玉音放送の
現代語訳が
著書がある麗澤大学の
川上和久教授(政治心理学)の監修のもと
掲載、紹介されていました


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私は、世界の情勢と

わが国の現状とを十分に考え合わせ

非常の手立てをもって

この事態を収拾しようと思い

私の忠義で善良な国民に告げる。


私は政府に対し、

アメリカ、イギリス、中国、ソ連の4カ国に

四国共同宣言(ポツダム宣言)を

受諾することを通告させた。


そもそもわが国民が健やかに

安らかに生活できるよう心がけ

世界の国々とともに栄え

その喜びを共有することは

歴代天皇が手本として残してきた教えで

私も常に念じてきたところでもある。

したがって、さきに

アメリカとイギリスの

二国に宣戦布告した理由もまた実に

わが国の自存とアジアの安定を

心から願ったためであって

他国の主権を押し除けたり

領土を侵したりするようなことは

もちろん私の意志とは異なる。

しかしながら

この戦争が始まってすでに4年がたった。

陸海軍の将兵は勇戦奮闘し

多くの役人たちも職務に励み

一億国民も各職域に奉公してきた。

それぞれが最善を尽くしてきたが

戦局は必ずしも好転せず

世界の情勢もまた我々に不利である。

そればかりでなく

敵は新たに残虐な爆弾(原子爆弾)を使用して

多くの罪なき人々を殺傷し

惨害がどこまで広がるかはかり知れない。

なおも戦争を続けるなら

ついには我が民族の滅亡を招くだけでなく

ひいては人類の文明をも

打ち壊すことになるであろう。

そのような事態になれば

私はどうして我が子のような国民を保護し

歴代天皇のみたまにお詫びできようか。

これこそ、私が政府に対し

ポツダム宣言に応じるようにさせた

理由である。


私は、わが国とともに

終始アジアの解放に協力した友好諸国に対し

遺憾の意を表明しないわけにはいかない。

わが国民のうちで戦死し、職場で殉職し

不幸な運命で命を落とした人々や

その遺族に思いをはせると

まことに悲しみに耐えない。

また、戦争で傷を負い、戦禍に遭い

家業を失った人々の厚生を考えると

深く心が痛む。

思うに、これからわが国が受ける苦難は

尋常ではないだろう。

わが国民の心中も私はよくわかっている。

しかし、時世の移り変わりは

やむを得ないところで

耐えがたいことを耐えて

忍び難いことも忍んで

未来の平和を実現するために

道を拓いていきたい。


私は今ここに

国体(天皇を中心とする秩序)を護持し得て

忠良な国民の真心を信じ

常に国民とともにある。

もし激情にかられて

みだりに問題を起こしたり

同胞が互いに相手をけなし

おとしいれたりして時局を混乱させ

そのために

人間の行うべき大道を誤って

世界から信義を失うようなことがあれば

それは私が最も戒めたいことだ。

全国民が家族のように仲良く分かち合い

長く子孫に受け継ぎ

わが国が不滅であることを固く信じ

国の再建と繁栄への任務は重く

その道のりは遠いことを心に刻み

持てる力の全てを未来の建設のために注ごう。


道義心を大切にし、志を強固にして

わが国の美点を発揮して

世界の進歩に遅れないよう

努力しなければならない。

わが国民よ

私の意のあるところを十分汲み取って

身につけてほしい。


こうして改めて読んでみると
決して過去の事ではなく
現代にも通ずる
《日本国民の思想》
が語られている気がして
なんだか涙がこみ上げてきました

恩師が
自決する数日前の
三島由紀夫氏と二人で語り合った際に
「平ちゃん、このままでは
日本は駄目になるよ」
と言われたという話を
聞かされたことがあります


全国民が家族のように
仲良く分かち合えているか?

わが国の再建と繁栄への任務は重く
その道のりは遠いことを心に刻み
持てる力の全てを未来の建設のために
注いでいるか?

道義心を大切にし
志を強固にして
わが国の美点を発揮して
世界の進歩に遅れないよう
努力しているか?


改めて考える日こそが
この終戦記念日なのではないでしょうか


https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_62e72de5e4b006483a9e96a4