告知された翌日。
誰にも癌のことは告げないままいつも通り働いて、
痛めていた腰と背中の治療のために通院していた
所へ行き、最後の治療を施してもらいました。
しこりが痛み、うつ伏せに寝るのがちょっと
大変でしたので、こちらの先生方には乳がんの話を正直にしました。
それはそれは皆さん驚いて、私の身体の心配をして
くださったのですが、それ以上に私の内面を気に
かけてくださり、
「野水さん、ちゃんと職場の人に話しましたか?
一人で抱え込まないで、
こういう時こそ甘えて良いんですよ!
今まで誰よりも頑張ってきたじゃないですか。」
『一人で抱え込まないで甘えて良い』
この言葉に突然反応して私の涙の湖が溢れだし、
人目も憚らずに号泣してしまいました

医者の前でも母の前でも泣かなかった。
特に我慢していたつもりはなかったのですが、
弱音を吐いたら、
涙を見せたら、
みんなを心配させちゃう、
迷惑かけちゃう
そう何処かで気を張っていたのかもしれません。
人並みに涙を流し、鼻をかんだらスッキリして、
「もう、人前で泣くのはこれでおしまい!大丈夫!」
そう言って笑顔で再会の約束をし、その場を後にしました。
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大人になってから人前で号泣したのは、
恩師・平山一夫先生の告別式以来のことでした。
「あぁ、こういう感覚って大切だなぁ。」
10年生存率80%と言われたけれど、分厚い日記帳はイヤだから、とりあえず
5年連用日記を買って、どんな治療を受け、
日々何を感じ、どう思ったのかを記録してみよう。
そう決意させてくれた出来事でした。
そしてその思いはこのブログにも反映しています。