続いて先生から説明を受けたのが、手術について。

手術は大きく分けて二種類。

①《乳房部分切除術(温存手術)》
②《乳房切除術(全摘手術)》

癌の大きさや広がり具合、位置やリンパへの転移の有無などで決定しますが、私の場合は選択の余地があり、

「どちらにもメリットとデメリットがあります。
それを知った上で、決めてください。」

と言われました。

温存の場合、多少の変形はあったとしても
乳房が残るので、精神的なダメージは少ない。
癌の取り残しがあった場合、再度の手術を要し、
再発を防ぐために術後の放射線治療が必要。

全摘の場合、乳房を失うことのショックは大きい(再建手術で形を取り戻すことは可能)。
取り残しがないため放射線治療は必要ない。

とのこと。
ちなみにどちらの場合でも10年間のホルモン療法は必要で、放射線治療は術後、傷口が塞がったら平日の毎日、約5週間~6週間受けるのだそうです。

「毎日!?
「毎日。」
「毎日かぁ…。」

メリット・デメリットどちらを考慮しても、
選択するのは微妙。


「う~~ん」


しばらく沈黙が続きました。

「先生ならどちらを選択しますか?」
「難しい質問ですね。
私もどちらとも決めがたいです。」
「ですよね~。
私は全く知識が無いんですが、温存の場合、
切り取った部分だけでも再建手術とかして
元に戻せたりするんですか?」
「そういうのは無いですね。
あくまで再建手術は全摘した場合のみのものなので。」
「?…そーなんですか?
ところで、手術は直ぐにしないとダメですか?」
「進行が遅い癌なので早急にと言うことはありませんが、さすがに半年は待てません。
遅くとも4月には手術したほうが良いでしょうね。」


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この時、乳房を失うか否かの選択はまだ出来ませんでした。20・30代ではないけれど、年齢に関係なく『女性』だからこそ、その象徴とも言える乳房が無くなる姿を想像も出来なかったし、再建手術も含めて熟考しなければいけないので。

現在の癌の状態を調べるため、三日後、CT検査の予約を入れ、22日の結果報告には家族同伴を勧められました。



そうだ


母に何て言おう………