銀行に就職するにあたり、配属は人事課だった

人事課は本社にあるため、自宅から通勤は遠いため、会社の寮に入ることになった

会社の寮と言っても、時はバブル時代、設備の整ったマンションの一室が一人ひとりに与えられるため、快適な一人暮らしとなったおねがい


母の元に居なくて良いことが、最高の就職になった

初めての社会、仕事、一人暮らしにも、ワクワクが止まらなかったラブ

1年過ごし、2年目に職場恋愛

楽しい時間が、過ぎていった

ある日、彼が

近所のお祭りがあるから行こうと、誘われて行ってみた

たくさんの露店が出ていた

彼が、たこ焼き食べようと行って買ってくれたのだが

それを食べることに、抵抗があったショボーン

昔から、お祭りで売ってるいる食べ物は綿あめしか、買ってもらえなかった

母に言わせれば、食べ物はよく火が通ってないものがあるから

お腹壊すといけないから、食べちゃだめよと言われてきたのだ


今、ここに母が居なくても、悲しいかな、その教えが頭の中に貼り付いていて、中々手を出せない

彼は私が遠慮しているものと思い、

温かい内に食べてと

差し出してきた

食べてはいけないと思いつつ、彼が勧めるので、恐る恐る口にした


びっくりえっ?

美味しいおねがい


お腹を壊すいけない食べ物と言われていたけど、あまりの美味しさにびっくりした


彼と美味しいとたこ焼きを平らげて、次はビールを片手にイカ焼きをつまんだ

なんて美味しくて楽しいのだろう

気分良くほろ酔いになり、楽しい時間が過ぎた

翌朝目覚めると、昨日があんなに楽しかったのに、罪悪感で気分は重かったショボーン


母の言いつけを守らなかった


圧をかける母が嫌だったくせに、母の言いつけを守らなかった自分にイライラしていた


なんでこんなに後味が悪いのだろう…


たこ焼きとイカ焼きと、ベビーカステラと…

美味しい物を、楽しく食べただけなのに…


側に居なくても、母の存在が大きく いつもつきまとっていた


どこから聞いたのだろう

私に彼氏が出来た事を…

母から電話があって、

彼を連れてこいと言う


別に結婚するとかではなく

まだ付き合ってそんなに経っていないので、会わせる気持ちにならなかった

それでもしつこく連絡してくる


彼氏に話すと、会ってもいいよと言ってくれたので

荷物を取りに行きたいのもあり、2人で実家に行った


彼氏に会ったとたん

家族構成、親の職業、卒業大学、根ほり葉ほり聞いていく

その様子が本当に嫌で

一時間も居ないうちに、私から帰ろうと切出し、家を後にした


なんだかごめんねショボーン

と彼に謝ると

お母さん、きっと心配なんだろうね、俺は大丈夫だから気にしないで

と言ってくれた


夜、母から電話がかかって来て


調べたら彼のお家は財産家だから、結婚したら私みたいに苦労をするからやめておいた方がいい

と言って来た


えっ?プンプン

調べたの?


色々周りに聞いてみたのよ


彼に会ったのだから、彼の人柄はどうに見えたの?

と聞くと


人柄は関係ない

彼のお家が財産家だから

やめておけって言ってるのよ

言うことを聞きなさい


呆れた

母の人生に重ねて、ただ財産家だからと反対をする


って言うか、別にプロポーズされた訳でもなく、今付き合っているだけなのに…


また、母の事が嫌いになっていったむかっ