ずっと見たかったドラマがTVerで配信してくれたので、見てきました。
気ままに感想を述べたいと思いますので、対戦よろしくお願いします。
第1話
全体的に俯瞰すると、一気に物語の本筋をガッツリと進めすぎている感じがします。
個人的な話、こういうのって後で「物語的にどうしよう」的な話になるし、視聴率維持が出来なくなるからおすすめはしない。
柊一颯が3月11日、学校の屋上から意味深の発言をしながら飛び降りるところから。そこから謎の映像が次々と映し出されて行くパターン。こういうのって私的に好きなんだよね。いかにもサスペンス感があって。
それで、物語は10日前に戻る。
10日前は3月1日。卒業式まで10日前を切る中、各々の生徒が最後の学校生活を楽しんでいるところが映し出されていました。それで、柊一颯が大量の荷物を廊下で運んでいる時に思ったんですけど……。
──先生の荷物を倒してそのままにするなんて、性格悪っ!!
まあその生徒はそんなに悪気が無いように思えたし、その後茅野さくらが先生の手伝いをしようとしているところを見て、「何だ、普通の学校か」と思ったんですけどね。はい。
……けど、その彼らの生活が柊一颯によってぶち壊されます。
何気なく彼が3年A組の教室に入ると、ヤンキー組の生徒たちに尻を蹴られていました。痛そう。
それで、唐突に彼は「君らを人質にします」と宣言。最初は何かの冗談だと思って笑っていますけど、柊一颯が起こす爆発により、冗談ではないことが理解します。
それで、人質に捕られたA組の生徒たちはそのことに大パニックを起こし、一部の生徒は柊一颯に襲いかかりました。襲いかかったは良いものの、彼に一蹴され、まともに相手にされません。
で、彼に脅されつつ、与えられた最初の課題:景山澪奈がなぜ自殺したのか? について考えます。
クラス内で衝突を起こしつつも、何とか結論を夜8時までに出します。
「景山澪奈は水泳のドーピングがバレて自殺した」。
これがクラスで出した結論。
ですが、ある生徒──茅野さくらだけは違い、別の結論を柊一颯に出します。
その結論というのが、“いじめ”。
景山澪奈は謂れのないドーピングによりクラス全体によるいじめに遭い、結果自殺。
その時のいじめが起きる直前、茅野さくらは謂れのないドーピングについて知らなかったものの、クラスの悪い雰囲気に押され、次第に彼ら同様、彼女を無視するように。
その際に彼女から手紙を貰っていたものの、それは友達と決別するような内容。その内容に絶望し、次第に茅野さくらは景山のことから離れていきました。
“いじめ”を解決出来ずに。
そして、最後に景山が自殺したのは「自分のせい」だと主張。
柊一颯はそのことに対して不正解を言い渡します。
不正解。その場合はクラスの誰かを殺害しなければならないというペナルティー。
ある生徒が答えを外した茅野さくらを殺せば良い。そう言うと、柊一颯は「揃いも揃ってクズだなぁ!!」と盛大に吐きます。
あ、ここの台詞だけ高校生の発達を如実に物語っているようなものなので、抜粋しておきます。
柊一颯:自分が助かれば他人がどうなっても構わない? イカれてるねぇ……。(教卓を叩きながら)どうしてそんな……、貧しい考えが生まれるのか……。モラルの欠如、アイデンティティの拡散。要は中身が空っぽなんだよ!!
高校生って「もう自分は大人だ」とか言って勝手に独り立ちを始めようとするもの。けど、まだ中身を見れば子どものままなんです。大人になりきっていないんですよ。
格好つけたがっているただの“クズ”。本当は他人のことを気にしてあげたいけど、自分のことだけで精一杯。
利己主義的な考えに、まだ高校生にはあるんですよ。
そこを指摘しているんです。彼は。
景山の死から何とも思わない。それはただ自分だけが何とかなれば良いと思っているから。景山をクラス全体でいじめて、それがいじめの原因だとしてもそれを結論に出さなかった。
だけど、茅野だけは違った。
“奴隷”呼ばわりされていた彼女だけは違い、真剣に景山の死と向き合った。だから彼女は言えた。”いじめ”が原因で彼女は自殺してしまったんだ。自分がちゃんと景山の“いじめ”に向き合わなかった自分が、彼女を死なせてしまった。
茅野はしっかりと成長していた。“奴隷”呼ばわりされていながらも、しっかりと景山の死と向き合っていた。
だから柊一颯は茅野を選んだんだと思います。
しかし、茅野の答えは不正解。によってクラス一名が脱落(殺害)。
……? 彼、見事に急所を外していますけど……?
だけどクラスはその生徒が「本当に」殺されてしまったのかと思い、焦り始めます。
まあ、こうでもしないと真剣にならないからかな……。高校生の本質を徹底的に見抜いていたからこそ、柊一颯は徹底的に計画を築き上げた。
……え? 策士なの?
第2話
全体的な感想。
普通の面白さ。特に飛び抜けた面白さはあまりなかったものの、ただ役者の演技が凄かった。
柊一颯が2日目に出した課題は「やり逃げXの正体を暴くこと」。又もや彼らは夜8時まで結論を出さなければならないことに。
彼らは逃亡手段についても考えつつ、やり逃げXの正体について考える。そこで被疑者候補が2人。
まず1人目は茅野。
実は友達のフリをしながらやり逃げXをしていた。まあ何となくあり得なくもないんですけど、第1話の状況からして少し無理があるんじゃないかなぁって。
そして2人目は宇佐美。
昔景山と仲が良かった(過去)という点を突かれ、そして柊一颯に内緒話をしていたことも突かれて、一気に被疑者候補ナンバーワンにのしかかります。昔友達だったけど、急に険悪になったことから、と言う点でやり逃げXになり得なくはないし、大体の高校生は自分に不都合な事が起きたら勝手に人のことを恨み、陥れようとする。茅野の線よりはあり得そうかな、と思います。
物語が進むにつれ、柊一颯の過去も徐々に明らかに。
彼は元恋人に暴力を振っていたことが分かりました。周囲の証言からするに、「恐ろしい人間」だの言われていましたし、柊一颯の印象が悪化することは免れないでしょうね。
それで待望の夜8時に迫る頃。彼の電話に元恋人から掛かってきます。
ですがその相手は元恋人ではなく、刑事。刑事は柊一颯の問いに答えること無く、また柊一颯は生徒達に又もや襲われ、あわやの展開が続きます。2度の勝手なる行動に彼は痺れを切らし、生徒達を黒板の前に並べます。
そこで君たちの上に爆弾があることを告げ、一斉に殺害することを予告。あわてふためく生徒達。しかし、諏訪が「やり逃げXが名乗り出れば良いんでしょ?」と発言。クラスは一気にやり逃げXが出てくれることを待ち望み、とうとうその正体が明らかになる。
その正体はまさかの茅野さくら……、ではなく、予想通りの宇佐美。
彼女は堂々と柊一颯の前に現れ、罪を自白。彼女がそこまでした原因というのは、完全なる“嫉妬”。自慢の友達に裏切られ、次第にストーカー化。次第に景山を陥れようと鞄の中に入っていた、ドーピング動画を拡散。彼女のいじめを主導していった……。
まあここでも柊一颯の名言が炸裂していますので、抜粋します。
柊一颯:宇佐美。お前に足りなかったものは想像力だ。もし、自分の家の窓が割られたら、自分の服を切り裂かれていたら、どんな思いをするのか。嘘の投稿で謂れのない中傷を受けたら、どれほど傷つくのか。お前には、その痛みを想像できなかった。宇佐美:(頭を抱えながら)うるさいうるさいうるさい……!!柊一颯:(宇佐美の頭を掴んで)よく聞け。景山はお前を恨んでいなかった。寧ろ、自分のせいだって言ってた。“私がいけないの。何も言わずに、香帆を拒んで、ちゃんと伝えていれば良かった。友達が欲しかった。私は本当の意味での友達になりたかった。”そう言ってた。良いか。宇佐美お前は、そんな彼女の気持ちを踏みにじったんだ。柊一颯、少し離れて。柊一颯:それが痛みだ。その痛みを、一生忘れんなよ。
第1話で述べたと思うんだけど、高校生って利己主義的な考えしか出来ないのね。他己主義的な考えってまだ出来ない。だから今まで友達だと思っていた友達が急に自分の目の前からいなくなると、裏切られたと思ってしまう。
そして、「自分の何がいけないの?」とか「他の人と比べると自分はそんなダメなの?」等のように、マイナスな考えばかりが思い浮かんでしまう。だからストーカー化したり、相手を陥れようと画策してしまう。
だけどそれを一蹴してくれたのが、柊一颯の台詞。
想像力が足りていれば宇佐美のストーカーは無かったことだし、無論景山の自殺も無かったことにもなる。だけど現実は違う。
宇佐美は一方的に景山の気持ちを踏みにじり、欠けた想像力で彼女を追い詰め、自殺するような選択肢を採らせてしまった。
そんな景山が感じた“痛み”を、柊一颯が伝えた。
大事な一場面だなぁって思うし、その後の宇佐美と茅野が話すシーンもまた印象的でした。
第2話の最終局面。
ドーピング動画は宇佐美によるものではないとするならば、それは誰によって作られたのか。それを解かない限り、柊は彼らを解放しないと告げて終わります。
第3話
全体的な感想。
普通。平和で終わるかと見せかけて残酷に終わらすの、まじでやり方が汚いです。
3日目の課題は「ドーピング動画の作成者を探し出す」こと。ですが生徒達に任せるのではなく、刑事に任せます。
そこで脚色されたのが郡司真人警部補。なぜ彼の連絡先を柊が知っていたのか、そこら辺は作中で語られませんでしたけど、後に明かされるのかなぁって思っています。
それで、物語が進むにつれ、一つだけ気になること。
それは内通者の存在。内通者が3年A組で起こっている実情を外部に漏らし、SNS──マインドボイスを沸かせます。
(恐らくここ、伏線かな……?)
物語の展開が進むにつれ、水泳部の2人が景山をはめたとは思えず、茅野は独自に逢沢に訊きます。ですがその訊いた情報を、スクールカースト上位の女子:諏訪に盗み聞きされ、クラスに流されます。それがきっかけとなり、里見が一気に疑われます。
夜8時が迫り、ドーピング動画を撮影したのは水泳部の熊沢花恋だと判明……。ところが、それは嘘の情報を流され、郡司はまんまとはめられ、生徒5人の殺害を許してしまいます。
真犯人は予想通り、里見海斗。彼は堂々と罪を自白し、動機を軽々と。
彼の動機として、振られた恨み。景山に告白した日の夜、繁華街で歩いているととある人から声を掛けられ、景山を陥れるための動画を撮影してこい、と頼まれます。
彼は指示通りに動き、全国大会最中、更衣室へと侵入、そこで景山のフェイク動画素材を撮影。
自分の撮影した動画がまさかドーピング動画に加工されるとは思わず、柊に「明日への活力なのか?」と問われました。
又もや名言炸裂なので抜粋。
さくら:なんで動画なんて撮ったの? 澪奈が何したの。里見:(小声で)言いたくない。香帆:(食い気味に)ちゃんと答えなよ!里見:俺はあいつに傷つけられた。だから傷つけよう……。柊:(言葉を被せて)里見お前は! 初めからドーピングのフェイク動画を作るためにあの動画を撮ったのか?里見:いや。景山を陥れる為だったら何だって良かった。あの動画があんな風に加工されていて驚いたよ。柊:ならお前が加工したわけじゃないんだな?里見:ああ。宇佐美の鞄にDVD入れたのも俺じゃない。柊:お前と景山に何かあったのかこの際どうでも良い。俺が知りたいのは一つだけだ。……お前は、本当に景山の苦しむ姿を見たかったのか? それがお前にとって、明日を生きる活力となったのか!!里見:活力って何だよ。柊:ある刑事の話をしよう。(以下略)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~柊:そして男は刑事になった。その男は、自分の味わった負の感情を跳ね返して、明日を生きる活力に変えたんだ。ここにいる2人もそうだ。真壁は、自分が選手として復帰出来なくなった時に相手を憎むのではなく、仲間をサポートする道を選んだ。熊沢だって、本当は景山に対して複雑な思いを抱いていたはずだ。だけど、彼女に勝とうと、努力をして、負の感情を跳ね返した。里見。お前はどうだ。逆境を乗り越えようとしたか? 傷ついた悲しみを、明日の活力を変えられなかった。それがお前の弱さだ。里見:(机を倒して)うるせぇんだよ!!
抜粋はここまでにしておきます。キーボード入力が大変なので……。
たとえ話を郡司警部補の話にしているのは、狙いがあるんでしょう。それはさておき、高校生って負の感情に支配されがちなんですよ。高校生だけでなくても、大体の人って負の感情に押されがち。それがきっかけとなって、誰かを陥れようとしたり、犯罪に手を染めてしまう。そうやって明日への活力を失っていく。
だけど、その感情を跳ね返し、自分の為、他人の為にしてあげることで明日への活力が生まれていく。郡司警部補の話だってそう。水泳部の真壁もそうだし、熊沢だってそう。
負の感情を跳ね返し、明日への活力を見いだせなければ、それは自分の弱さとして自分に降りかかってしまう。まして、まだ大人になりきれていない高校生に降りかかったら、それってどうなる? 間違いなく、誰かを陥れたいという欲求が生まれてしまうよね?
こういう感じかな。なかなか良い台詞です。
とはいえ、ここまで柊一颯の名言を抜粋してきたんだけど、それに当たるバックボーンがイマイチ見当たらないのよね。多分後々に明かされていくパターンだとは思うけど、名台詞を連発していて逆に「らしさ」が失われているような……。
で、里見はクラスメートに説得され、改心。柊が殺害する5人を選ぶ中、「そのうち1人は俺で良い」と自ら志願します。
良いよね。こういうキャラ。自分の身勝手さで人の命が奪われたんだから。自らの責任を死をもって体感するキャラ、嫌いじゃない。
それで、5人が殺害され……。と思ったんですけど、まさかのまさかの展開で、殺されたはずの生徒達が復活してました。
どういうことでしょう。
まあそれは後々に明かされていく話だと思うので、次の配信を待ちたいと思います。
まとめ
ここまで長々と付き合ってくれてありがとうございます。
第1話から第3話を通しで見て、社会的に沸いた理由が少しだけ分かった気がします。
ではまた。お会いできるまで。