前日の夜急に、銀行の同期が娘のグルメ旅のお財布役でこっちに来るのでお茶をしようと連絡があった

彼とは丸の内の本部の部署とシンガポールの部署で隣の課だった
彼は家族第一の人なので普段夜遊びをするような付き合いではなかったのだけれど、海外勤務のときはホームパーティをすることも多かったのでお嬢さんとも何度か会ったことがある
マーライオンを見下ろすアパートに住んでいたボクはフォーミュラ1のシンガポールグランプリのときに毎年ウチでパーティを開いていた
あぁ思い出した
英語が苦手な上司に気を遣って、土曜日はシンガポール人の日、日曜日は日本人の日に分けてたんだったたな
それぞれ20人くらい集まったかな

帰国子女で家は田園調布、おだやかでお公家様風の彼は、これまたいいとこのボンボンなのだろうな
ボクの大学の附属の高校を卒業し、もっといい大学を出てるわけ
まぁ馬の骨のボクからするとちょっと憧れな感じ

そういえば時期は重なっていないのだけれど

ニューヨーク、シンガポール、バンコク、香港と住んだ街も重複が多い


今は取引先の一部上場とは今は言わないのか、プライム企業の役員をやっている

いーなーー

彼はボクの冷奴Tシャツも買ってくれた

お嬢さんから「お父さんはあのTシャツすごく気に入ってていつも着てるんですよ」とうれしいお言葉
すると「今日も着てるよwほら」とセーターを捲り上げる同期

そして「お父さんはいつも『ほらまた面白いこと書いてるよ、見て見て』って見せてくれるんです。お父さんは大好きみたいですよw
10年振りとは感じません」ってこれまたうれしいお言葉

身体を壊して退職して地元に戻ったボクのことを銀行のみんなは、あいつはもう終わったと思っているだろうなということで、生存確認の意味でSNSの発信をしているので、それを楽しんでくれるのは我が意を得たり

近況を報告しあい、「なぁ、オレは基本に忠実な教科書通りのことしか言わないつまらないヤツだった?それとも奇抜なことばっかり言ってたイメージだった?」


「そりゃあキミは唯一無二の奇抜なアイデアマンだから目立ったんじゃないかw」
「だよなw(そういう評価はちょーうれしい)
ところが地元ではチョー基本的なことばっか言ってんの
銀行ではみんな基本は身についてるから、それを前提にいかに差別化するかだったんだけど
こっちは基本を知っている人がいないからまず基本を知ってもらわないといけないと思ったんだよね
まぁ全然響かなかったんで大人になってからじゃ手遅れだと思って子どもをターゲットにしてるんだよねw」
「大変そうだなぁ」
「プライム企業とは違うんだぞぉ
馬の骨は生きるの必死なんだからw」

みたいな会話が久しぶりに出来て

褒められたい人から聞きたい褒め言葉をもらえた楽しい年の瀬となった

銀行や母校の友達は何十年の友達がたくさんいる

価値観の共有って大切だなと思うのであった