ゴミ箱にゴミを突っ込んだ瞬間、左手にすごく力が入ってゴミを握りつぶしてしまった。
思うのは、俺はまだまだ若いんだなってことと、近くない人には決して気づかれないけど、本当は感情の起伏が激しいってこと。

「擬陽性」って何だよってケータイで打ったら、ちゃんと変換されるし。

やり場ないわ。

上司に事情を相談したとき、口が滑って病名を言ってしまったときの上司の気の毒そうな顔が頭の中をループしている。

オヤジや母ちゃんの頭の中では何がループしてるんだろう。


さっきオヤジとゆっくり話した、もしものときのこと。
そんな話このタイミングですべきとは思わないけど、世の中にはいろんな考えの人がいて、態度をはっきりさせなきゃいけないこともある。
オヤジからは分かりきった答えが返ってきたけど、最初から決めつけるより、意見を言う場を設けてあげるのも優しさなのかと気づく。
そんな中でもちょっと心惹かれたのは、オヤジには憧れる終わり方があるようで。
去年亡くなった近所のおっさんのような最後。

うまく言えないけど、人間くさくて可愛い最後。

病気と戦ってる感じしないの。
逃げ回ってる感じ。

俺も共感。
悲壮感がなくてオヤジらしいと思う。


そう思うことで納得しようと思う。

ホントは誰だって奇跡を信じたいさ。
俺が頑張るから奇跡を起こしてやりたいとさえ思う。

でもそれ以上にオヤジを苦しませたくないと思う。
幸せな気持ちでいてほしいわ。

だから、煮えたぎった感情は、オヤジの前ではふさわしくないから、神さま仏さまと一緒に、ゴミ箱に捨てていくわ。