うそをつくと
どんどん辻褄が合わなくなっていくので
うそは嫌いだ
うそをやめると
苦しくなることも多いが
記憶できないことを
憶えていたくない
でも悔やんでいることの中に
職場のひとの
お子さんが
歯科健診だったかで
休みを貰えないと
電話してきた史多に
伝えてしまったこと
もっと史多が拒絶に感じないような
別のことばを選べたら
勝泰と同じように
今でも生きていたのかな
あの頃
史多は病んでいたらしいから
函館まで送り迎えしていた
いつも明るく見えていたから
そこまで気にせず
あれ以来電話来なかった
今日具合悪くて行けないとか
なんで言えなかったんだろう
なんで登山のことや
大学のこと勧めたんだろう
こんなにも大変ないきかたしなくて良かったし
大事にしていたキーボード
弾けないじゃないか
この兄弟よくにている
足が長くて指が綺麗
ゆび
なくなっちゃった
かあちゃんに訊いたら
なくなってないよ
短くなったが再生できるみたい
治療しているみたい
って
言われた
ネットあんまり詳しくないから
なにしてるのか知らなかったよ
さっき職場の夢を見て
動悸がすごくて
ゾッとした
史多が亡くなって仏間に入れなくなったよ
こわいところには行けなくなるよ
顔が見れない
山に行かせたくなかった
おとうとがほしい
ずっと言っていたらしい
なんども転校させられて
ともだちいない
兄弟がいても兄は私が嫌い
おとうとだったら
良いな
くらいの
でもおとうと
コロしたのも私みたい
7年かかっても
まだ悔いて痛い
戦争は駄目だよ
うそつけるならじぶんが悪者になっても
いさかい合わないようにしないと
ニンゲンスグシヌ