シミ を診断することの意味 | 吉祥寺の美容皮膚科 スキン・リファイン・クリニック

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仕事(皮膚診療)と感じること(日常)などについて語ります

skin refine clinic in 吉祥寺

ちょっと真面目な感じのタイトルで攻めてみました。
イヤ、特に攻めていませんが^^;・・・なんとなく、可哀そうな患者さんが見られることもあるので、きちんと書いてみたくなりました。

僕は形成外科出身です。【外科】である以上、様々な病気、ケガを手術で治療してきましたが、レーザー治療も形成外科の専門分野であり、僕は興味と熱意を持って診療に取り組んできました。

【シミ】に限らず、太田母斑、扁平母斑、蒙古斑、血管腫などなど先天性のアザに対しても専門的に積極的に診療を行ってきました。シミの多くはメラニン色素という成分によるものです。そうです。皆さんが嫌いな例のヤツです。

単純にメラニンという成分との戦いなわけですが、皮膚のどの【層】にメラニンがいるのか、そのメラニンはどういう状態にあるのか、どうすればその場から除去することができるのか、教科書に乗っている情報、知識と言いうのは実際ほんのわずかなわけで・・・。臨床(現場)で学ぶことが非常に多く、そして実りあるものであったと思います。

なかなか治療成果の上がらない患者さんがいるときなどには、先輩医師に相談し、その経験からのアドバイスを得たり、自分自信でも考察し工夫したり、それでも難しい場合には国内に限らず海外の医学論文を大学図書館で検索し取り寄せたり。

前置きが長くなりましたが、
ここに(SRC)来るまでに2件の皮膚科に行ってきました。A院ではそのシミは肝斑だと、治療はやめた方が良いと言われました。B院では肝斑ではないと言われ、※※という治療を受けましたが、イマイチ改善が感じられませんでした・・・そして、こちらに来てみました。

このような方もポツポツ見られ、診察、治療をさせてもらっています。2件だけならともかく、3件、4件と渡り鳥の様になって、あれこれ違う見解を言われ、どうしたら良いかわからなくなってしまう方も多いです。

僕はシミやアザの治療に興味が無い先生を否定したりしません。
実際、僕の師である1人の先生は、手術の鬼、芸術的な天才形成外科医ですが、大学時代レーザー治療は一切行っていませんでした。ある時、何故先生はレーザー治療をしないのですかと尋ねると

【手術じゃないだろ、誰だってできるだろ】とぶっきらぼうに答えてくれました。沢山の下積み、練習、修業を繰り返して手に職を付ける、そういう職人技という面は確かにレーザー治療には無いかもしれません。ストイックで厳しい職人であるその先生を、僕は今でも本当に尊敬しています(大学を辞められた後、レーザーに取り組まれていますが、僕に意見を求められることもあり、恐縮しますが)

そうなんです!ここなんです。

【誰だってできる】と、一見思われてしまうんです。レーザーのこと、その難しさや限界、そして凄さを知るべき形成外科医の中にすら、(興味の無い先生にとっては)いつでも簡単に取り組めるものだと思われてしまう面がある、形成外科医でない先生にとってはいわんやだと思います。

僕はレーザー治療が好きです。確かに手術ではありません、治すのは機械で僕ではないかもしれません。しかし、きちんと結果を出すためには、シミをきちんと診断する目と、それを養う経験と、そしてメラニンに対する愛情?が必要なんじゃないかと思ったりしています。