科学教育センター岡村幸保先生より

「ヒトの生殖について」

 

ヒトの生殖と性器について子どもたちには、生物学的な説明で理解すると、その素晴らしさを理解します。


「はずかしいもの」という感情は当然ですが、それを乗り越えます。


これは、35年間の、中学校理科教師の経験で言えることです。

水中で生まれた生命が進化して陸上に上がります。
 

なぜ陸上に上がったかというと、海中の肉食巨大動物からのがれて川を上り、さらに、湿地の追われ肺呼吸を獲得して陸上に上がったのです。


陸上は水中と違​い乾燥しています。
 

ところが、卵と精子は乾燥に極度に弱く、すぐ干からびてしまいます。


そこで、空気に触れないようにするために体内受精に進化しました。


そのために、爬虫類、鳥類、哺乳類は、かなりの「工夫」をして、メスオスともに複雑な仕組みの性器を獲得していきます。


「何で勃起するの?」という小学生の質問にはこういう説明も説得力があります。
 

さらに、爬虫類や鳥類は、乾燥に耐えるため卵にカルシウムの殻を持つようになります。
 

哺乳類になると、メスは子宮を持ち胎盤を作り、胎生を獲得し、体内で子を育てるようになります。


ヒトの男女の分業は、胎生というここに出発点があり、長い間差別の原因にされてきました。


しかし、現代では、社会制度を作り、教育の力も得て克服しつつあります。

水中動物から陸上動物への進化は、弱い生物種であって祖先が、海から川、川から湿地、湿地から陸上へと逃げてきた結果です。


その中の、哺乳類は、さらに弱く恐竜の影で、生殖器官や性器を変え、胎生を獲得して生き延びてきました。


子どもたちに、我々の外性器は、そういうおいたちの生物としての産物であり、生き延びるために進化した動物としての素晴らしい形のものであることを伝えると、「いやらしいもの」から解き放たれます。


ヒトなどの高等動物は、生殖の方法を、気温などの気候や月の満ち欠けなどの自然現象によるコントロールや遺伝的な本能にだけ支配されず、集団での学習により獲得する要素も入ってきました。


それのためには、子どものころからのコミュニケーション力の獲得が必要になります


そして、メスとオスの出会いと導き合いが必要であり
そのためにもコミュニケーション力が必要になりました。


ヒトになると、言語を獲得し進化させましたが、言語に頼りすぎ、動物本来のコミュニケーションの姿から離れるようになり、様々な矛盾も生まれるようになりました。


進化的には、類人猿を見ると皮膚感覚など非言語のコミュニケーション力も重要な役割を果たしています。


ヒトも本来同じものを持っているはずです。
 

京都大学の霊長類研究者でありゴリラの先生である山際寿一教授は、このことを発信しています。

スキンシップケア ​ コミュニケーションアカデミーの性教育研究は、山口創先生の皮膚感覚の科学から出発していることが特長です。


他に類を見ない視点を持ち、深くて、かつ説得力のある発信は、そこから生まれていると思います。

 

 

 

 

 

 

 

スキンシップケア・コミュニケーション・アカデミー

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