今大会で日本はアルペンに初めて女子選手を代表に送り込んだ。これは次回(1972年)の札幌オリンピック対策のため世界の祭典を学ばせるための措置だった。
フランスのジャン・クロード・キリーは1956年のザイラー(AUT)に続いて2人目の三冠王に輝いた。キリーは1966/1967シーズンから開催されているワールドカップで2年連続総合優勝を飾った無敵のオールラウンダーだった。また、女子のナンシー・グリーン(CAN)も同じくワールドカップ2連覇を果たした実力通り、大回転で金メダル、回転で銀メダルを獲得する活躍を見せた。
日本選手団は役員16名、選手は62名でうち9名が女子選手、アルペンははじめて女子1名が代表選手に選ばれた。記念すべき女子第1号は日本大学4年生の大杖美保子。大杖は、15歳の時(写真)、全日本選手権出場年齢に達していないことから前走で出場したが、当時のトップ選手を凌ぐ“爆弾タイム”を出して周囲を驚かせたというエピソードを持つ。そして高校(米子西高校)1年で1962年シャモニーで行われた世界選手権に松島初子、河畑栄子とともに出場したが、世界選手権でも女子が初出場した大会のメンバーだった。女子選手の先駆者としてその後の女子選手に大きな影響を与えたことは言うまでもない。その彼女は現在、白馬村で全日本三冠王、丸山仁也と夫婦でホテル「ヴァイサーホフ八平」を営んでいる。
アルペンの代表は男子5名。
アルペン2人目の三冠王となったジャン・クロード・キリー(FRA)
1968年/Grenoble (FRA) 第10回冬季オリンピック
男子滑降:金 J・C・Killy (FRA)
銀 G・Perillat (FRA)
銅 J・D・Daetwyler (SUI)
45 野戸恒男
54 福原吉春
59 丸山仁也
64 丸山寿一
男子回転:金 J・C・Killy (FRA)
銀 H・Huber (AUT)
銅 A・Matt (AUT)
失格 福原吉春
失格 野戸恒男
失格 佐々木富雄
失格 気田義也
福原吉春
野戸恒男
丸山仁也
男子大回転:金 J・C・Killy (FRA)
銀 W・Favre (SUI)
銅 H・Messnar (AUT)
40 野戸恒男
50 福原吉春
男子複合:1位 J・C・Killy (FRA)
2位 D・Giovanoli (SUI)
3位 H・Messnar (AUT)
女子滑降:金 O・Pall (AUT)
銀 I・Mir (FRA)
銅 C・Haas (AUT)
34 大杖美保子
大杖美保子(15歳当時の写真)
女子回転:金 M・Goitschel (FRA)
銀 N・Greene (CAN)
銅 A・Famose (FRA)
31 大杖美保子
女子大回転:金 N・Greene (CAN)
銀 A・Famose (FRA)
銅 F・Bochatay (SUI)
36 大杖美保子
女子複合:1位 N・Greene (CAN)
2位 M・Goitschel (FRA)
3位 A・Famose (FRA)