昨日に引き続き、再度厳密に条件を設定して検証し直してみました。

昨日はISO1600で露光時間3分のダークフレーム撮影でしたが、今日は30秒にし、Kiss X2も交えて実験してみました(X2用のリモートケーブルは40Dや50Dのそれと互換性がないので、バルブ撮影ができないのです)。

DPPで現像し露出を+2EV、明るさを+10で統一してあります。ノイズリダクションは一切なし。

最後にフォトショップで200%にクロップし、切り出しました。

本当に微妙、おそらく2~4%ぐらいの差だと思うのですが、やはり40Dが一番優秀だと思います。次いで50D、X2の順。5Dも試したのですが、なぜか今日はアンプノイズが入り、あまり良くない結果となったのでここでは掲げていません。

ISO3200でも同じ条件で実験してみましたが、結果はやはり同じ。ここでの差と同じぐらいの差で40Dが50Dよりかすかにノイズレスでした。

ところが、カメラ側の高感度ノイズを減らすをONにすると結果は逆転し、これもかすかな差なんですが50Dが40Dより良くなります。

でも、これには理由がありました。

DPPはノイズに関するカメラ側の設定を反映させる設定にすることができます。

40DでこれをONにした場合、DPPでは輝度ノイズを減らすが+2(色ノイズを減らすは0のまま)となりますが、50DではOFFの場合で輝度ノイズ+3、色ノイズ+3、ON(効果弱め)の場合で輝度ノイズ+3、色ノイズ+10となることがわかりました。

もうひとつ面白いのは、OFFに設定しても50DではISOを3200に上げるとDPPでは輝度ノイズが+4、色ノイズが+8となるのです。つまりカメラ側ではISOに応じて自動的にある程度のノイズ処理を行っているという事実が浮かび上がってきました。

40DではONにしても輝度ノイズが+2されるだけです。一方50DではOFFにしても輝度ノイズ、色ノイズ共に+3の処理が強制的になされます。

以上のことから類推すると、CMOSそのものが発生するノイズはわずかに50Dが(40Dの1.5倍もの画素数アップに伴い)40Dを上回っているようですが、より強力なノイズ処理を施すことによってその分の不利さを相殺していることが想像されます。

過去撮影した星野写真で最新のDPPを使い、輝度ノイズや色ノイズのパラメーターをいろいろいじりながら現像してみたところ、やはりというか、輝度ノイズは上げても3~4が限度だなと思いました。なぜなら微光星が消えちゃうからです。

50Dのボディー側では、しない、弱め、標準、強めとノイズ処理を設定することができますが、標準や強めにしたらDPPのパラメーターは幾つになるのかはまだ検証していません。

弱めでも処理が非常に強力なので、これ以上強度を高めたらディテールの損失が許容範囲外になることが明白なので実験はしていないのです。

今日のテストでは30秒という短い時間でしたが、昨日行った3分の露出時間だと50Dと40Dの差はもっと開き、ノイズ処理をONにしても50Dの画像が40Dのそれを凌駕することはありませんでした。

実は15分の露出時間も試みてみたんですが、結果は変わらず。ていうか、50Dの発熱量のすごさを証明する結果となり、冷却装置なしではオートガイドを使った長時間露光(10~30分)にはとても耐えられないと思いました。

X2の結果が思ったより良かったので、冷却改造カメラの中では一番安いX2を買って天体写真専用機とするのが最も現実的かもしれませんね。