キャノンのEOS50Dが今日発売となりましたが、早速入手してきてダーク画像を撮り、40Dやフルサイズ機の5Dとノイズの出方を比較してみました。
条件はいずれもISO1600、シャッタースピード3分、ノイズリダクションは全てオフの設定です。
表示が少しおかしくなっていますが、画像をクリックすると正しく表示されます。
RAWで撮って現像は全てDPPで行い、わかりやすくするために明るさを2EV持ち上げ、ピクセル等倍に近いサイズに切り出しています。
それぞれ2枚目の画像はいずれもDPPで、輝度ノイズと色ノイズを10にしてノイズリダクションを行いました(5Dはオフのみ)。
結果は50Dが一番劣る結果となりました。もっとも、ノイズリダクションをかけた画像は40Dとほとんど変わりませんが。ここには掲げませんでしたが、ノイズリダクションオンにした場合の5Dの画像は一番きれいでした。
やはり画素ピッチはこの3機の中で最も大きいですから、画像処理エンジンが古い型でもノイズ処理には有利なんですね。
高画素化の悪影響か50Dは回路がかなり発熱するみたいで、ボディーも3機のうちで最も暖かくなりました。
これは天体写真を想定しての極限の条件下でのテストであり、一般の撮影ではあまり影響は出ないと思われますが、40Dより同等かやや優れていることを期待していただけに残念な結果となりました。
もっとも、個体差もあるかもしれません。
あるサイトでの厳密な実験では、kiss X2は非常に個体差があり、どの個体を掴まされるかによって結果は大きく違ってきます。同じ実験で40Dは個体差が非常に少なく、そのサイトでは天体写真に使うなら40Dが無難と結論づけておりましたが。
う~ん、これで計画が狂ってしまった。その他の50Dの機能は非常に優れているので一般撮影では使うつもりですが、天体写真では40Dを使い続けた方がいいかもしれません。
なので、kissX2をドナドナさせようかな?
しかしながらDPPはバージョンアップに伴い、ノイズ処理機能を強化させてきました。
それまで10段階でしか処理ができなかったのが、今回のバージョンから20段階で処理できるようになりました。
その効果は絶大で、最高の20にするときれいさっぱり消えちゃいます。
でも天体写真の場合は強い処理、特に輝度ノイズを減らしすぎると星までもが消失してしまうので、その辺のさじ加減は難しいです。
大きさをいとわなければ、1D Mark IIIが最もノイズが少ないはず。
ちゃんとした赤道儀を使った撮影ならそれでいいのですが、ポータブル赤道儀では重量が軽くなければいけないのでちょっと微妙。
他に、カメラのボディーに備わっている長秒時撮影時のノイズリダクションをONにした画像とも比較してみましたが(これは天体写真用ソフトのRAPやステライメージのダーク減算と同じ処理を内部でします)、結果は同等かむしろややノイズが増していました。
長秒時撮影時のノイズリダクションは、撮影時と同じシャッタースピードの時間だけボディー側でくだんの処理を行います。つまり、ここでは3分間行っています。長い時間の処理により、回路が発熱してその影響のせいだと思います。
コアな天体写真マニアは専門店で冷却改造したこれらのカメラを使っていますが、冷却効果がノイズの量と質を決定するのに非常に重要な役割を持っていることを実感した次第。
50Dは歴代のキャノンのデジイチの中で最も画素ピッチが小さくなっています。
12月に発売される予定の5Dの後継機、5D Mark IIより小さいのです。
以上の実験からかなり無理してノイズ処理を行っていることが想像でき、DIGIC4の発する熱をいかに減らすかが今後の技術者たちの課題になると思います。
あ~、それにしても残念。やっぱり冷却改造するしかないのかな。