とうとうその日がやってきました!待ちに待った雲のない夜空。

天気予報ではそのはずだったんだけど、夕方からなぜか夕立一千。必ず晴れると信じて、まずは村上市の神林天文台の敷地へ。

10年くらい前に全国で2番目に天体観測に適した場所としてランクインした場所で、今日初めて行ってきたのですがなかなか暗かったです。

でも胎内天文台のあたりと同じくらいかな。頭上に電線があるので、天頂付近を撮るには場所を工夫しなければなりません。

到着したときは晴れていたけど、いつものことながら器材を出しかかっているうちに曇ってきてしまい、結局時間を少しおいた方がいいと判断し、胎内へ移動することにしました。

胎内でもこの時点(23時前後)ではあまり天気は優れず、カメラのレンズを向けようとするとまるで申し合わせたかのようにそこに雲が移動する始末。それを4-5回は繰り返したでしょうか。

いやな予感・・・今日も星たちは撮られたがっていない?

予感は的中。帰宅後パソコンで画像を見てみるとどのコマも流れて写っています。

200mmの望遠レンズを使ったそれならわかるけど、50mmの標準レンズを使ったコマでも流れているのは何故?

理由は・・・ポータブル赤道儀には、地上の景色と星空全体を同時に写し込むような構図用の星景モードと、通常の星野モードの二種類が用意されています。

前者はモーターの回転スピードが1/2となっているのですが、モード切替スイッチがすごく動きやすく、セッティングの時に誤って星景モードになっていたのでした。

でも、それ以外にも原因はありそうです。

恐らく三脚の強度も足りないのでしょう。ぼくはGITZOのバサルト2型を使っているのですが、一応公称10kgまでの負荷に耐えられることになっています。

しかしながら一般に三脚の自重(ぼくのは2kg丁度)の1.5倍までが安心使える範囲と言われており、それだけで3kgあるポー赤とカメラ本体、レンズを合わせ総重量5kg近くになる器材には荷が重すぎるのかもしれません。

GITZOは同じ径の国産のメーカーの三脚と比較すると、明らかにぐらつきやたわみは少ないのですが・・・

ところで、ポー赤では最新型のTOASTですが、まだ専用の架台が発売されていません。

なので、メーカーの人たちなんかはマンフロットのレベラーを付けて微動装置代わりにしているそうなのでぼくもそれに習い、8月下旬に行われた胎内星祭りの直後にそのパーツの注文をしたのです。

ところがメーカー欠品中とのことで、9月中旬以降でないと入荷しない由。

なので、いつも三脚の足を伸縮させたりしながら極軸合わせをしています。

これが難しいのです。長い焦点距離のレンズを使うには正確な極軸合わせが要求されますが、そのレベルになると北極星以外にもその周囲にある4~5等星の暗めの星を二つ指定の位置に導入しないとなりません。

これがぼくの原始的な手段では不可能でした。星像の流れは極軸合わせの精度不足に拠るところもあります。

結局この日うまく撮れたのは、一番出番の多い24mmの単焦点レンズ使用による星野写真が数枚だけでした。

中望遠レンズによる写真は全滅です。ま、微動装置がまだ手元にないので、これはある程度予測の範囲内ですが。

写真は北東の空。プレアデス星団が魅惑的な光を放って輝いています。

地平線の低いところには冬の星座の代表格、オリオン座が昇ってきていました。


(注)時計と逆方向に回転させて表示させてあるので、写真を保存してソフトで時計回りの方向に回転させれば正しい表示なります。