板の乗り味は試乗会で2-3本乗ってみただけはわかりません。雪質やエッジの角度、摩耗具合、ワックスのマッチングなどによって全く違った印象になるものです。
近年ネットオークションの普及により、程度のいいものでしたら比較的高価に売却することができるようになりました。そんなわけでぼくはヤフオクを最大限に活用、毎年物欲の赴くままに板を何本も買い込んでいます。
それらのうち、ほとんどは滑走日数10日前後で1年後には売却してしまいます。我ながら贅沢だと思うけど、いろいろな機種に乗るのは単純に面白いし、いろいろなことが見えてくるのでやめられないのです。
今日は前編として、昨年12月から今年2月にかけて売却した板(昨シーズン使っていた板)の紹介をします。
(1)HEAD iSUPERSHAPE MAGNUM 170cm
ヘッドの今期の主力モデルです。ぼくは毎年新潟の石井スポーツの展示会で板を1台予約するのですが、展示会で購入した板は3ヶ月持たずに売却するというジンクスがあります(^_^;)
昨年4月、野沢温泉の試乗センターで似たようなサイドカーブの板6機種に乗り、もっとも感触がよかったのがこの板でした。
しかしながら3回4回と日を重ねるごとに、ある不満が生じてきました。板前半のトーションが少し弱いかなと。もともとこの板は硬い雪で乗る板ではないのですが、ある程度のハードバーンでは顕著にそれが感じられ、板前半部の軌道がかなりずれずれになってしまいます。トーションを弱く設定してるからこそ170cmで13.5mというきついサイドカーブにも関わらず、大回りが比較的しやすいのはそのためですが。
でもそれならトップ幅をそこまで幅広にする必要はなく、数ミリ狭めにしてトーションを気持ち強めに設定する方が板全体のバランスから言ったらいいと思います。
もうひとつ、これはヘッドのカーブプレート全体に言えることですが、CP13が世に出てからもう何年になるでしょう?多分20年はたっていると思います。ヘッドは来期モデルからプレートを全面改良しますが、従来のカーブプレートは板の自然なたわみを阻害するもので、どうしてもセンターが硬く感じられてしまいます。
ぼくはスーパーシェイプスピードの177cmも持っていますが、このくらいの長さがあるとたわみが全体に出るようになるのでプレート部の不自然さもあまり気になりません。
ということで、マグナムはぼくにはいろいろな意味で中途半端な板でした。1本で全てという場合にはいい選択かもしれませんが。
(2)HEAD iSUPERSHAPE SPEED 170cm
マグナムに不満を覚えた頃、たまたまヤフオクで破格値で購入。こちらはかなりお気に入りとなりました。このモデルが最初に出たのは3年前ですが、そのときのモデルはエッジの幅がもっと狭かったです、レーシングモデル同様。フレックスももっと張りがあったと思います。
現行モデルはかなり優しいセッティングになっており、2級ぐらいの人から使えるでしょう。
弱点は滑走性がよくないこと。もっとも、これはk2と比較しての話ですが。
エッジの幅がk2やオガサカの上級者用モデルの倍くらいあるため、なんか滑りが重いのです。
またヘッドの板は重量感があり、170cmの場合で金具込み3324gあります。もちろんこの重さが滑りの重厚さに影響を与えていることは明白です。
あと、やはりカーブプレートCP13のせいで足下のたわみがイマイチ出ません。だから小回りで深回りをするにはかなり技術が必要です。板の挙動自体は極めて自然で返りも適度に穏やかなので、この辺はオガサカのKS-AMに比べるとより万人向けのセッティングになっています。
工場出荷時のエッジ角だと、4-5日も滑るとエッジグリップにぬるさが感じられてきます。板のもともとのトーションはそれほど強くはありません。マグナムと大同小異かな。
サイドエッジを88度に研ぎ直せばいいのですが、やや遅れて購入したk2の2機種、クロスファイアーとストライカー両機種のエッジグリップの良さ、走りの良さに惚れ惚れし、思い切ってドナドナさせることを決意した次第です。
(ヘッドの名誉のために言っておきますが、プレートビンディングが全面改良され、さらに板がやや幅広に改良された来期のスピードは要注目です。プレートが硬すぎないといいんですが。)
(3)K2 アパッチリーコン 174cm
昨シーズン履いていたモデルです。k2のオールマウンテン板の欠点はとにかく重いこと。メタルを入れる必要はないのにと思う。
またk2のセミツインチップ形状になっている一部の機種は実寸とカタログ記載の全長が一致しません。この機種の実寸もそうで、私の計測によると177cmでした。先日ICI石井スポーツに行って来期のカタログを見せてもらってきたら、それらの機種は来期から全て実寸表示に切り替えられていました。
後述する昨年モデルのクロスファイアーもそうですが、これらの機種には明確な欠点があるのです。それはビンディングの取り付けにがたつきがあること。これだけがたつきがあると、誤開放につながりやすいのでは?エネルギー伝達の点でも疑問が付くし。というわけでドナドナ。
実は最近k2のホームページを見ていたら、このM1ビンディングのリコールについての記事を発見しました。やっぱりと思いました。HPの片隅に小さく案内が載っているのですが、なんでもっと大きく載せないの?雑誌への告知もすべきでは?ちょっとk2の対応に不満あり。
尚、M1ビンディング搭載の板はメーカーで無償でアップデートしたビンディングに交換してくれるそうです。
(4)K2 アパッチクロスファイアー 174cm
この板を手放したのも同じ理由からです。ビンディングとレール部の取り付けにがたつきがあったから。それがなければもっと微妙なエッジング操作ができただろうし(構造上、そもそもが敏感です)、板の素性はとても素直でトップとテールのバランスがよく、ターン導入が極めてスムーズ、板の滑走性も抜群でとても気に入っていたのですが。
実寸で177cmとちょいと長めですが、これが実寸で174cmだったら身長182cmのぼくにとってはオールラウンドに使える長さになるわけで、サイズレンジをもっと細かく設定してほしいなあと思ったりして。その点、フィッシャーはサイズレンジがどの機種も豊富ですね!
近年ネットオークションの普及により、程度のいいものでしたら比較的高価に売却することができるようになりました。そんなわけでぼくはヤフオクを最大限に活用、毎年物欲の赴くままに板を何本も買い込んでいます。
それらのうち、ほとんどは滑走日数10日前後で1年後には売却してしまいます。我ながら贅沢だと思うけど、いろいろな機種に乗るのは単純に面白いし、いろいろなことが見えてくるのでやめられないのです。
今日は前編として、昨年12月から今年2月にかけて売却した板(昨シーズン使っていた板)の紹介をします。
(1)HEAD iSUPERSHAPE MAGNUM 170cm
ヘッドの今期の主力モデルです。ぼくは毎年新潟の石井スポーツの展示会で板を1台予約するのですが、展示会で購入した板は3ヶ月持たずに売却するというジンクスがあります(^_^;)
昨年4月、野沢温泉の試乗センターで似たようなサイドカーブの板6機種に乗り、もっとも感触がよかったのがこの板でした。
しかしながら3回4回と日を重ねるごとに、ある不満が生じてきました。板前半のトーションが少し弱いかなと。もともとこの板は硬い雪で乗る板ではないのですが、ある程度のハードバーンでは顕著にそれが感じられ、板前半部の軌道がかなりずれずれになってしまいます。トーションを弱く設定してるからこそ170cmで13.5mというきついサイドカーブにも関わらず、大回りが比較的しやすいのはそのためですが。
でもそれならトップ幅をそこまで幅広にする必要はなく、数ミリ狭めにしてトーションを気持ち強めに設定する方が板全体のバランスから言ったらいいと思います。
もうひとつ、これはヘッドのカーブプレート全体に言えることですが、CP13が世に出てからもう何年になるでしょう?多分20年はたっていると思います。ヘッドは来期モデルからプレートを全面改良しますが、従来のカーブプレートは板の自然なたわみを阻害するもので、どうしてもセンターが硬く感じられてしまいます。
ぼくはスーパーシェイプスピードの177cmも持っていますが、このくらいの長さがあるとたわみが全体に出るようになるのでプレート部の不自然さもあまり気になりません。
ということで、マグナムはぼくにはいろいろな意味で中途半端な板でした。1本で全てという場合にはいい選択かもしれませんが。
(2)HEAD iSUPERSHAPE SPEED 170cm
マグナムに不満を覚えた頃、たまたまヤフオクで破格値で購入。こちらはかなりお気に入りとなりました。このモデルが最初に出たのは3年前ですが、そのときのモデルはエッジの幅がもっと狭かったです、レーシングモデル同様。フレックスももっと張りがあったと思います。
現行モデルはかなり優しいセッティングになっており、2級ぐらいの人から使えるでしょう。
弱点は滑走性がよくないこと。もっとも、これはk2と比較しての話ですが。
エッジの幅がk2やオガサカの上級者用モデルの倍くらいあるため、なんか滑りが重いのです。
またヘッドの板は重量感があり、170cmの場合で金具込み3324gあります。もちろんこの重さが滑りの重厚さに影響を与えていることは明白です。
あと、やはりカーブプレートCP13のせいで足下のたわみがイマイチ出ません。だから小回りで深回りをするにはかなり技術が必要です。板の挙動自体は極めて自然で返りも適度に穏やかなので、この辺はオガサカのKS-AMに比べるとより万人向けのセッティングになっています。
工場出荷時のエッジ角だと、4-5日も滑るとエッジグリップにぬるさが感じられてきます。板のもともとのトーションはそれほど強くはありません。マグナムと大同小異かな。
サイドエッジを88度に研ぎ直せばいいのですが、やや遅れて購入したk2の2機種、クロスファイアーとストライカー両機種のエッジグリップの良さ、走りの良さに惚れ惚れし、思い切ってドナドナさせることを決意した次第です。
(ヘッドの名誉のために言っておきますが、プレートビンディングが全面改良され、さらに板がやや幅広に改良された来期のスピードは要注目です。プレートが硬すぎないといいんですが。)
(3)K2 アパッチリーコン 174cm
昨シーズン履いていたモデルです。k2のオールマウンテン板の欠点はとにかく重いこと。メタルを入れる必要はないのにと思う。
またk2のセミツインチップ形状になっている一部の機種は実寸とカタログ記載の全長が一致しません。この機種の実寸もそうで、私の計測によると177cmでした。先日ICI石井スポーツに行って来期のカタログを見せてもらってきたら、それらの機種は来期から全て実寸表示に切り替えられていました。
後述する昨年モデルのクロスファイアーもそうですが、これらの機種には明確な欠点があるのです。それはビンディングの取り付けにがたつきがあること。これだけがたつきがあると、誤開放につながりやすいのでは?エネルギー伝達の点でも疑問が付くし。というわけでドナドナ。
実は最近k2のホームページを見ていたら、このM1ビンディングのリコールについての記事を発見しました。やっぱりと思いました。HPの片隅に小さく案内が載っているのですが、なんでもっと大きく載せないの?雑誌への告知もすべきでは?ちょっとk2の対応に不満あり。
尚、M1ビンディング搭載の板はメーカーで無償でアップデートしたビンディングに交換してくれるそうです。
(4)K2 アパッチクロスファイアー 174cm
この板を手放したのも同じ理由からです。ビンディングとレール部の取り付けにがたつきがあったから。それがなければもっと微妙なエッジング操作ができただろうし(構造上、そもそもが敏感です)、板の素性はとても素直でトップとテールのバランスがよく、ターン導入が極めてスムーズ、板の滑走性も抜群でとても気に入っていたのですが。
実寸で177cmとちょいと長めですが、これが実寸で174cmだったら身長182cmのぼくにとってはオールラウンドに使える長さになるわけで、サイズレンジをもっと細かく設定してほしいなあと思ったりして。その点、フィッシャーはサイズレンジがどの機種も豊富ですね!