~信毎web~

崩落で一時通行止め 北ア・横尾―涸沢間の登山道

 北アルプスの横尾―涸沢間(松本市安曇)の登山道に屏風(びょうぶ)岩の斜面が崩落し、一時通行止めになったことが19日、涸沢の山小屋「涸沢ヒュッテ」への取材で分かった。大小の岩や石が登山道を覆ったが、ヒュッテ従業員らが整備し、同日午前9時半ごろに登山できるようにした。崩落が続く恐れがあるとして、登山者に注意を呼び掛けている。
 ヒュッテ従業員の福島清志さん(56)によると、18日午後6時45分ごろ、「飛行機が落ちたような音」がし、崩落した斜面を山小屋から見た。崩落地点は本谷橋とヒュッテの中間地点。19日午前5時ごろ、ヒュッテと涸沢小屋の従業員計7人が屏風岩の西側が幅約100メートル、長さ約200メートルにわたり崩落したのを確認し、一時通行止めとした。崩落は夕方で、巻き込まれた人はいないとみられる。
 崩れそうな石を取り除き、通行を再開した。現場近くに落石への注意や周辺で休憩しないよう求める看板を立て、横尾山荘と上高地の環境省上高地インフォメーションセンターも看板や張り紙を出し、登山者に注意を促している。
 涸沢ヒュッテ社長の山口孝さん(68)は、2008年に近くで今回より規模が小さい崩落があったとし、「途中で止まらずに一気に通り抜けるなど、登山の際は注意してほしい」と話す。「屏風ノ耳」近くを通る別の登山道があるが、現在、残雪で通行禁止となっている。