ホーチミン市内を移動していると、よく見かけるのが

カラフルなお寺。

 

 



歴史上、いろんな国の影響があり、いろんな国と

隣接していることもあるので、ベトナムの宗教には、

仏教、カトリック、プロテスタントはもちろんのこと、

ヒンドゥーやイスラム教、新興宗教としては、

カオダイ教というものもあったりして、「色々」

というのが実情のようですが、表立って見えるもの

として、日本人が反応しやすいのは、やはり仏教。

 

いろんな宗教が存在するので割合として圧倒的多数、
とは言えないらしいのですが、それでも至る

ところに寺院が目立ち、且つ、そこにはいつも

人が溢れ、常に誰かがお参りをしているという状態。

 

 

また、お参りに行っている層も幅広く、熱心な信者さんの中には、

「デート先がお寺」であったり、1日の始まりは

必ず通勤途中にあるお寺に寄って、

お祈りをしてから出社するというお若い方も少なくなく、

宗教が広く、そして深く浸透している様子が伺えます。

 

日本だと、例えば観光で有名な寺院を訪れることは

あっても、生活の一部としてお参りに頻繁に行く、

という若者は少数でしょうし、そういう点では、

日本よりも熱心な仏教徒が多いように思えます。

 

 

とは言え、クリスマスの賑やかな街中の様子を楽しむ人たちは、

別にキリスト教徒の方ばかりではありませんし、

各宗教間での軋轢が大きい、というような話も、

見聞きする限りではあまりないような気がします。

 

また仏教とは別に、民間信仰のようなものがあって、
これは飲食店や小さなホテルなどに行くと目にする

ことがあるのですが、屋内にいくつもの小さな祠が

祀られています。

 

玄関には福の神。お台所には家族半径の神様、

最上階にはご先祖様をお祭りし、その少し下には、

お若いうちに不幸に遭われたお身内の霊を祀って

いたりするそうです。

 

 


これはどんなにモダンでリッチなマンション、家屋に

住む人にも見られるもので、そのスペースをまず確保

するのが、引越し先での第一案件と言われる方もおら

れるのだとか。

 

民間信仰に関しては、日本にも似た文化が見られます

ので、ちょっと共通したものを感じますよね。

 

というわけで、あまりストイックになりすぎず、

自分の気持ちを穏やかに保つために上手に適宜に

仏教を取り入れている人が多いように見受けられる

ベトナムの方々なのですが、一点だけ、日本よりも

随分熱心なのだな、と感じる点があります。

それが、「菜食」。

 

 

旧暦でいうところの1日と15日、宗派や教徒としての
向き合い方に寄っては、14日や30日も追加されて

月に2日〜4日ほど、菜食の日というのがあり、これを
厳格に守っている人が結構いるのです、

 

どのくらい厳格かというと、例えば菜食を気にかけない
友人との食事に出かけた先でも、野菜以外には頑なに
手をつけない。

同じ食卓に肉類があることを許容できるという
ケースではそうですが、もっと厳しい方はそもそも
ベジタリアン料理のお店の提案し、周囲との人間関係
にもよりますが、そこを理解している人たちであれば、
すんなりとそちらを優先したり。

 

 

 

 

 

そもそも、こちらのブログでも何件も紹介していますが、
ベトナムのベジタリアンって、物足りなさがないんですよね。

材料の野菜がとても生き生きした味を持っていることと、

巧みな調理方法によって、そこにお肉が入っていない

ことを全く気づかせないくらいの完成度。

 

 

 

またフランス料理の技法が身近にある環境からか、

こんなふうに美しい盛り付けで、むしろ日頃の料理よりも

上等なものの空気感さえまとわせていたり。

 

一方で、ヴィーガン(非常に厳しい菜食主義で卵や乳製品も摂取しない)

謳っていてもチーズやクリームを使った料理を出しているところもあり、

世界基準の「厳格な菜食」であるケースは少ないかもという

緩やかなところも生活の中に取り入れやすい理由なのかも。

 

過ぎたるは及ばざるが如し、と言いますものね。

 

 

 

 

 

一見素っ気なく見えるお野菜料理や、豆腐料理も、

食べ応えがあるように仕上げられており、なんなら
別に菜食の日でなくても、普通の食事先の

バリエーションとして持っておきたいお店ばかり。

我慢、をして菜食に耐えるのではなく、楽しめる菜食

なのが、ベトナムのベジタリアン文化かなーという

気がしています。

 

と、ここまでベトナムのベジタリアンを持ち上げておいて

いうのもなんですが、宗教的理由に縛られない人は、
「菜食の日」には、ベジタリアンレストランには行か
ない方が良いかもしれません。

なぜなら、そこにいかなくてはならない人たちでお店が溢れかえるからw

 

 

 

 

自分たちだけではなく、その日はお寺のお坊さんを
お招きして彼を囲んでのお食事をしたりという
ケースもあるので、人気のベジタリアンレストランは
大賑わい。

 

わざわざ混んでいるときに行く必要もないので、

その日にいかなければならない人でないのなら、

別の日を選んで、ゆっくり楽しみに行きたいですね。

 

ちなみにこの風習(強制的に野菜しか食べられない
日がある)と、どれが生活に根付き厳格に守ってきた

結果、ベトナムの女性にはスマートな方が多い、
なんて話もあったようです。

 

せっかく美味しくん楽しい菜食文化が身近にあるの
ですから、宗教的にあまり深く関わっていなくても、

積極的に活用して行きたい食文化ですよね。

 

ちなみに菜食はベトナム語で、Anh Chay (アンチャイ)
と言います。気をつけてみると、街中にもたくさん

この文字を掲げているお店があるので、是非探して

みてくださいね♪