ベトナムの代表的な調味料といえば、Nước mắm 。ニョクマム、またはヌックマム、ヌクマムなどと呼ばれる、日本でいう所の「魚醤」。

 

英語ではダイレクトに、フィッシュソースと呼ばれるこの調味料は、魚介類、特に小魚などに塩を加えて、ツボなどの容器に入れ、冷暗所で半年から一年ほど熟成させた後に上がってくる水分を調味料としたもの。

 

かつてベトナムの海沿いでは各家庭ごとにこのヌクマムが仕込まれていて、家庭ごとに違う味があったという、日本でいう所のぬか床のような親しまれ方をしていたとか。

 

 

 

今ではすっかり工業製品として作られ、売られているものが主流のようですが、それでも様々な商品があるようです。例えば上の写真は、スーパーなどに売られている小瓶の商品。

 

あくまで個人的な感想ですが、味わってみると左から、
 

・ 塩気、旨味が一番バランス良かった気がする
・ 最初のインパクトは強いけど、旨味、一番強い
・ しょっぱさだけが印象に残る!
・ しょっぱさも旨味もあるけどとにかく濃い!

 

と言った感じでしょうか。ベトナムの方は、お料理を直接このソースにつけて食べられる方も多いようですが、日本人にはいずれもクセが強すぎて感じられるかもしれません。

 

しかしヌクマムはアミノ酸がものすごく多い旨味の宝庫。タンパク質やカルシウムの含有率も高く、調味料が含む栄養素としては魅力的なものをたくさん持っています。

 

例えば熱を加えたり、酢を合わせることでそのクセはかなり和らぐので、例えば。。。

 

 

 

チャーハンの仕上げに、鍋肌にジャッと落として全体を混ぜる、などすれば、加熱時に上がる蒸気の匂いはありますが(笑)ご飯にはっかり旨味が残って深い味わいに。ネギやニンニクを

たっぷり使ったものだと、ヌクマムの風味と絡んでさらに美味。

 

鶏肉や豚肉などの下味に使う塩胡椒や醤油の代わりに、ヌクマムを少し使うと、不思議とお肉が柔らかく仕上がるのでオススメ。

 

 

 

 

しかも下味をつけた後に加熱するので、ヌクマムのクセはほとんど飛んでしまいます。旨味と塩気が残るのみ。

 

お酢を加えた漬けダレで、大根やキュウリなどを漬けて浅漬け風にするのもオススメ。

 

 

 

少量の漬けダレでも、ビニール袋などに入れて空気を抜けば、少しの調味料でしっかりと味をつけることができますし、お野菜から出る水分と合わさり、ヌクマムのクセが和らぎます。

 

似た調味料として、タイのナンプラーやカンボジアのトゥック・トレイという調味料、またそもそも

ヌクマムは中国から伝わってきたという説もあり、中国にも、そして日本の魚醤もその仲間、ということから、アジアでは広く愛されているカテゴリーの調味料。

 

日本人には一般的なものではないかもしれませんが、脈々と各地で受け継がれてきているのにはワケがある。というわけで、その利点を生かして、美味しく楽しみ、キッチンの選択肢を増やせたら良いですね♪

 

ちなみに、ヌクマム。多くの飛行機で、手荷物としても預け荷物としても持ち込みが禁止されていることが多いようなので、飛行機で持ち運びをしようとしている方は、各エアラインへの問い合わせが必要です。万が一にも漏れたり瓶が割れた際に、その臭気を嫌う外国の方も多いため、迷惑にならないようにという点からの措置だそうです。

 

ニャチャンの空港では、ヌクマムを瓶などの容器からペットボトルに移し替え、キャップをしたのちに、厳重にガムテープなどでシールドし、それをさらに発泡スチロールのケースに入れて、それもがっちり封をする、というやり方で飛行機に乗せることができるようですが、他の空港でもそれが通るかどうかは未確認なので、もしもお土産に持って帰ろう、と思っている方がいたら、事前にご確認を。

 

ちなみに上記写真の小瓶のものは、荷物検査ですぐにヌクマムとわかることもあって、即刻、

没収になることが多いようなのでお気をつけて。

 

美味しい調味料なので、日本の方にも楽しんで欲しいのは山々ですが、まずはホーチミンにいる間に、しっかり楽しむのが無難なようです。。。

 

 

小瓶のヌクマムの品揃えが良いお店

店  名:SATRA Lucky Plaza店

住  所:69 Dong Khoi Q1
営業時間:09:00 - 22:00

予  算:10,000 - 20,000 ドン