ホーチミンでのベジタリアンレストランの魅力はこれまでにも何度もお伝えしてきましたが、どこか格式張っていたり、日本人的には不慣れな事もあって様子を伺ってしまう所があったかもしれません。
しかしそれが、気軽なカフェのような外観で、お値段もお安く、且つベトナム料理がベースとなっていて美味しい、ということであればどうでしょう?
サイゴン大聖堂や中央郵便局と言った観光名所からあまり遠くない位置にあるこちらのお店。通りからはご覧の通り、2階にあるわ、小さそうだわで、気をつけて見ていないと見逃します。
しかもそこに行くには、このように見ている2階の下、右側にある、ヘム、と呼ばれるホーチミンによくある「袋小路」に入って行かなければなりません。
他の国なら、外国人は絶対に入らない方が良いと思われるような雰囲気ですが(笑)、特にホーチミンの街中にあるこう言うヘムは美味しいものの宝庫だったりするので見逃せませんっ。
もちろん、場所によっては表通りから見え難く、人通りも少なく、キケンな場合もあるかもしれませんが、ガイドブックで紹介されている様なエリアにあって、外から見てもある程度人が賑わっているような所であれば、さほど心配することは無いかと思われます。
奥に入って行くと店名のサインボードが。その左手に入り口となる階段があります。
なぜかカエルさんたちの置きものがお出迎え。そして細い階段をドンドン上がって行くと…?
見ザル聞かザル言わザルさんもお出迎え。なにっww というかこれ、「日本以外にもあるんだー!」と驚かれる方がいますが、東南アジアにはけっこうあちこちに見かける事が多くって、調べてみたら、これ、古来エジプトやアンコールワットにも見られるもので、シルクロードを伝って日本にやってきたものらしいですね。
日本語的に語呂がいいから、すっかり日本のモノと思いがちでしたけども、実はかなりの国での共通キャラクターだったらしいです。(キャラクター?)
そんな階段を上がって行くと、そこには…
え。
あの外観からは想像できない広さと質の良さそうな空間。もっと簡素で小さなカフェで、ちょろっと料理も出してます、くらいのものかと思っていたら。。。
メニューには写真が溢れ、英語の解説もしっかりあり、なんだったら入り口で「ご予約はおありですか?」と聞かれてみたり。別に予約が無いと入れない格式張ったお店、というわけじゃなく、ローカルの方の人気が高くて、ランチタイム等には席が無いこともあるらしい、と言う話。
なので、混雑が予想される時間を外すか、予約で席を確保して行くのが良いかもですね。
テーブルウェアや随所に置かれてるアイテムも素敵。メインルームと、別室状になってるスペースがあり、なんだったら団体様用のスペースまである様子。
ほんと、こんなに広いなんてあの外観と狭い階段からはとても想像できません。その落差やサプライズがホーチミンのお店の楽しいところなんですよね。探検のしがいがありますっ。
シンプルにお茶だけしにくるのもアリなんです。シントー(スムージー)って、ホーチミンの名物的にガイドブックではけっこうPRされてますが、路上のお店や市場の中では暑くて落ち着いて頂けない。カフェなんかにもなくはないけど種類が少ない、などがあって、いざ飲もうと思ったら困ることもあるのですが、ここはおススメ。
美味しいし、ご覧のとおり、可愛くしてくれているしで、女子的にはテンション上がる事間違い無しっ。そしてお料理なのですが…
これは餡かけ麺。麺が見えない程にゴロゴロ野菜の餡がタップリかかってますが、お出汁餡とは別に、麺にはちょっとオイスターソース系の濃いめの味が絡められてて、二重に美味しい。個々のお野菜のしっかりとしたお味も加わり、更に美味しい。
お豆腐のフライは、まるでライトなチーズのフライを食べているかのような充実感。でもお豆腐だからローカロリー。なんて幸せ。
蒸し野菜をコークウェットというタレにつけて食べる料理は、他のお店でもご紹介した事があると思いますが、ここの特徴はなんとタレが4種類もあると言うこと!
実際には、お野菜だけでも味が濃くて、何もつけなくてもおいしいくらいなんですが、やはり変化があればそれだけたくさん食べられますし、何より楽しい。
食べているのはお野菜だけのはずなのに、食べ応え充分。おいしい野菜はベトナム料理の魅力の1つと強く思う次第です。
皿の脇に飾られているこんなトマトも愛らしい。ベトナム料理にはつきものの伝統的な飾り切りですが、それだけ食べ物が豊かな土地だったってことですよね。食べ物にゆとりがないところでは、食べ物を飾り物に使おうなんて思わないもの。
ガツン!とボリュームが欲しい時にはこんなものも。なんとこれ、餅米のフライ。餅米の中に日本人にも馴染みの深い高菜のお漬け物の炒め物、の様な物をタップリ詰めて巨大なコロッケ状にしたのち、パン粉をつけて豪快にフライ。
さくさくとした衣にムッチリの餅米、更にそこに日本人的には懐かしい感じのする高菜の風味。これが美味しくない訳ない!
どれも日本食にも見られる食材なんですが、こういう組み合わせ、こういう調理法は日本ではあんまりしなかったな、と思えるものがたくさんあるのも、ベトナム料理の嬉しい所。家でもついつい真似してしまいたくなっちゃいます♪
こんな感じで、家庭的且つお野菜タップリ(というか、ベジタリアンなので、お野菜ばっかりw)、なのに物足りなさが無くて満足できるという、ヘルシーでお洒落でカジュアルなレストラン。見逃しがちな外観でしたが、実はかなり長くやっておられると言うのも納得。
地元ッ子に大人気。日本人的味覚似もとても嬉しいこのレストラン、日常のご飯屋さんリストに、是非入れておいてほしい一件です♪
店 名:Bong Sung
住 所:86 Nguyen Du Q1
営業時間:07:00 - 22:00
予 算:50,000ドン 〜 250,000ドン