「俺はショウ、セントラルの科学者だ。BIG-NO、会えて嬉しいよ。」
ショウと名乗った男は、爽やかな笑顔で俺に握手を求めるように右手を差し出したが、
俺はあっさりそれを無視した。
「科学者?しかもセントラルの?
そんな学者さんがこんな辺境で何やってるの?
それにあれ、あんたの仕業?」
普段なら人懐っこいアイバが、あからさまに不愉快そうな顔をして、
おびただしい数のサンドピープルが、円状に集合する異様な光景を指さした。
「あぁ、やっと実験段階に入ってね。」
「サンドピープルを集める実験?人騒がせなのも程があるぜ。」
MJもつれない言い方をした。セントラルの人間相手じゃしょうがないか。
「集めるのが目的じゃない。この後が本来の目的さ。」
そう言ったショウは手元の小さなリモコンのスイッチをいれた。
円を描くように集まるサンドピープル達の中心に位置する機器が、
いきなり一斉を射撃を始めたと思ったら、
次の瞬間には周辺のサンドピープルが、次々と粉々に吹き飛んでいく。
「あれは武器?」
「武器はついでに搭載した機能で、
俺の本当の目的は、滅する直前のサンドピープルの声を収集、解析することだ。」
サンドピープルが滅する直前の声?
何か嫌な予感がしたが、それよりもショウに言いたい事があった。
「おい、半分以上倒してないぞ。
勝手にあんなに集めておいて、これでお仕舞いじゃないだろうな?!」
確かにさっきの一撃で殺った個体も多いが、
半分以上がなんのダメージも受けないままウロウロしてやがる。
「あちゃぁ・・・!出力不足か集まり過ぎか?
武器としての性能はあんまり重視してなから・・・」
ショウが呑気な事を口にした。
チッ。
「お前の話は、後でゆっくり聞かせて貰う。
アイバ、このバカを見張っとけ。」
そしてアイバに小声で言った。
「カズは置いて行くが、あのバカを必要以上にカズに近付けるな。」
アイバが小さく頷いた。
「MJ、行くぞ!」
「オッケー!」
ショウとカズをアイバに任せて、俺とMJはサンドピープルの群れに向かって駆け出した。
つづく
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怒涛の年度末が終わりました。(´д`lll)
明日から新年度。
毎日バタバタで、妄想が癒しだわ(笑)