今朝はずいぶん冷え込んで、
天気予報が伝える今季一番の寒さは間違いがなかった。
ただ、雪は山止まりで、下までは降りてこなかった。
もう節分も済んだというのに、まだ初雪は降らない。
心配なのは分かる。
けれど、疑心は暗鬼を生む。
この鬼ほど、強くて、無限で、不死身な鬼はいない。
この鬼には、剣も、爆薬も、薬品も効かない。
有効な手立ては、ただ一つ。
生まないことだ。
疑心を制御することだ。
それぞれが、それぞれに、己の心を見つめ直すことだ。
健康な者が、自身の健康を脅かされまいと躍起になり、
他を踏みつけてまで、マスクを買い占める。
その結果、本当に不健康な者にマスクが行き渡らず、
辺りに咳を撒いて歩く。
市販されるようなマスクの効果が高いのは、
吸い込むことより、吐き出させないことではないのか。
奪い合いをして、やっと買えたマスクは10枚だけで、
当分は品薄が続くだろうからと、使い捨て用を使い捨てずに何日も使う。
一度体を離れた唾液や鼻汁を直近で吸い込み続けながらマスクをすることと、
マスクをせずとも、うがいをこまめに行うことは、
どちらが衛生的で、免疫機能を健康に保つのか。
今様、暗鬼がニタニタと笑いながら人を食らう様は、
言い出せば切りがない。
疑心を制御すべしなんて、遥か古から言われ続けていること。
なのに、すべての人間が成功した世の中は未だかつて存在しない。
ゆえに、諍いのない世界は訪れない。
それでも僕は夢想する。
僕が制御できるなら、他の誰かも制御できるんじゃないかと。
僕は、僕の心に抗い続け、
皆が穏やかであることを願い続ける。