僕の脳みそは幼児と同様なので、

普段は朝起きるのが苦手で、もう少しもう少しとスヌーズ機能を使いまくっているのに、

遠足となった途端、興奮して早朝から覚醒してしまう。

仕事を遠足と思えばと、何度も試みたけれど、自己暗示には至らず。

早々上手くはいかないものだ。

 

 

二日目も早朝から始動。

誰もいない朝風呂を浴び、朝食を摂ったら、まずは高知市街の散策から。

おっさん二人で朝の散歩という気味の悪さは、見ない振りをしておく。

 

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高知の名所「はりまやばし」。…日本三大がっかり名所の一つだそうで。

確かに、高知市街の中心の中心にあり、

ビルが立ち並ぶ大通りの脇に、取ってつけたような短い復元の橋は、絶景とは言えぬ。

 

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これ、泊まった宿の玄関脇に作られたモニュメント。

…変わらんがな。

 

「土佐の高知のはりまや橋で 坊さんかんざし買うを見た」

この「よさこい節」のフレーズが、名所の由縁。

でもこれ、スキャンダルゴシップを騒ぎ立てる台詞なんよね。

ネタ元は、恋愛禁止の僧侶(37)と町娘(17)の禁断の恋が、

「おいおい、坊さんがはりまや橋で娘へのプレゼントのかんざしを買ったらしいぜ」

と町中の噂になって、居られなくなった二人は駆け落ちしたものの、捕まり、

晒し者にされた末、別々に土佐から追放処分。

しかも噂のリークは、娘にフラれた元カレ僧侶(かんざしを買ったのも実はこいつ)…。

可哀想すぎる。しかも、流行り歌にされるなんて。

今も昔も、噂に踊る人々に、がっかり。

 

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えへへ。

…隠れきれず、何をやってるか分からん絵面に。

後で活きてきますから、この「えへへポーズ」は。

やなせ先生は高知の生まれだそうで、はりまや橋付近の歩道に石のモニュメントが並ぶ。

 

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奥から、武市半平太、坂本龍馬、中岡慎太郎。

土佐藩出身の幕末の志士が高知駅前に揃う。

高知県民は銅像好き。

 

朝の散歩を終え、宿をチェックアウトしたら、再始動。

最初に目指したのは、

 

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土佐に来たら、行かねばならんでしょ。

志、情熱、度胸、ユーモア。やっぱり格好いいんです、この人は。

 

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背中コラボ。

思った以上に高い所に立っていらっしゃって…

 

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上の写真を撮るために、しゃがんでローアングルを…と思ったら、

シャッターを押した瞬間、後ろにひっくり返りそうになり、

慌てて重心を前に傾けたのだけれど、両手は撮影のために塞がってて、

しかも手にしていたのはラヂオ屋のスマホで「壊す訳にはいかん!」と、

咄嗟に胸に抱えて肩から落ちる覚悟をしたのだけれど、

結果、地面に右頬を強か打ち付けるという始末で、

これは歳か、歳のせいなのか!と情けなく項垂れるの図。

この後、僕は頬に擦り傷を負ったまま、旅を続けることになりました…。

がっかり。

 

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龍馬の見ている太平洋。波の音が、とても大きく、美しく聞こえた。

 

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桂浜。

 

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ニセ龍馬。傷アリ。

 

 

「転ぶかね、普通」

「黙れ」

「顔面から落ちるって」

「うるさい」

「ないよなぁ。あんなとこでさ」

「若干、坂だっただろ。後ろ側に」

「でもなぁ」

「うるさいって。分かってるよ、自分でも」

「運転は大丈夫なんだろうな?」

「大丈夫だ。眼鏡は無事だったし」

「空海が守ったのは、眼鏡とスマホか」

「…。」

「どこかの寺で厄払いしてもらえ」

「嫌と言うほど賽銭を投げ込んでやる」

「やんちゃだなぁ。ほっぺに擦り傷があるもんなぁ」

「うるさいって」

 

 

龍馬に惜別し、次の目的地へと向かう。

ほっぺはズキズキ痛むけど。

南無。