これも1年前に書くはずだった記事。
早いなぁ。てか、遅いなぁ。
月日と課題提出は反対語に属する。
ラヂオ屋との旅行は、基本「どうでしょう」の聖地巡礼になる。
と言っても、例の番組は大体が全国を巡っているため、どこに行っても聖地が存在する。
で、「ちゃんと行ったことねぇな」というアバウトな記憶と、
「行くんだったらアレとコレはやっとかないと」という欲求に基づいて決定される。
結果、2018年は、
『2泊3日で四国八十八ヵ所巡礼とうどん食い倒れツアー』となった。
「てめぇ、また無謀な計画を立てやがって!」
「あぁ?てめぇがアレもコレもって言うからだろ!」
午前5時、今まさに朝日が昇ろうという清々しい空気に罵声が響く。
「寺よりうどん優先だからな」
「本末転倒だろ。俗物が欲に眩みやがって」
今回の移動手段は僕のクルマ。
眠気と空腹の苛立ちを乗せて、高速道路を西に走らせる。
明石海峡大橋で淡路島へ。さよなら本州。
淡路SA。雲立ち込める夜明け。
そのまま淡路島を縦断し、鳴門海峡を渡って四国上陸。
まずは徳島県で第一の目的地に向かう。
閑散。人っ子一人いやしなくて不安になりつつも入店し、
装束を購入してからの一番霊場「霊山寺」。
ええ、カタチから入りますが何か?
立派な龍が睨んでました。
「白衣を着て参ると、心が清められる気がするな」
「現金な奴だな」
「結構いいお値段だったからな」
「うむ。しかし、これは着とかないとダメだろ」
「笠までは手が出なかったな」
「あれはクルマに乗るのに邪魔だ」
「よし。これで弘法大師と同行二人だ。じゃ次は腹ごしらえだな」
「…欲は一向に減らないもんだな」
せっかくだから、徳島でも美味いうどん屋があるだろうと、
スマートフォンに尋ねてみたところ、幾つかの店がヒット。
次の目的地へ向かいつつ、徳島駅前に。
セルフうどん「やま」。駅近くの雑居ビルって感じの店舗。
「…ここなんだが」
「はな〇うどんと変わらない感じだぞ」
「確かに。だが高評価だ」
「ま、まともな朝飯は食ってないし、さくっと食っとこうか」
すだちおろしぶっかけ(冷)。
超さっぱり。超美味い。超安い。
「美味いな、おい」
「セルフも侮れんな」
「これなら3杯は軽くいける」
「確かに、これは優れたファストフードだな」
「が、今は我慢しておこう。次の名物はすぐそこにある」
「…すぐそこ?」
「さっき調べておいた」
「今食ったばかりじゃないか」
「馬鹿野郎。これは朝飯だろ。次は昼飯だ」
「…お前といると時間とか量とかの次元が歪む」
「行列のできる店だ。今なら開店前に並ぶのに丁度いい」
ラーメン東大本店。
関西圏にチェーン展開している、徳島ラーメンの本店。
30分前くらいに着いて一番に並んでたら、
開店時には一気に満席になって、待ちが出てた。
濃い豚骨醤油に細い麺。
美味しい、と思う。腹にうどんが入っていなければ。
「美味かったな」
「…食べきれなかった」
「勿体ない奴め。お遍路で悔い改めろ」
「…お前に言われたくない」
ここまでで、お遍路に興味のある方は「ん?」と思われることでしょう。
1番から10番くらいまでは、案外簡単に回れるくらい並んでいて、
徳島駅あたりなら17番くらい回った所じゃないのか、と。
答えは、No。
うどんにラーメンにと忙しい我々は、限られた時間を有効に使うため、
「端折る」という選択をし、魂でもって八十八ヵ所を巡っている。
だって、四国広いし。道険しいし。他にも色々行きたいし。
ということで、
次の目的地に向かい、四国を南下させるのだった。
南無。