今日は、どんより曇り空。
来週はまた寒くなるそうだ。
岐阜県山間部は雪ってことだから・・・ウチも降るね。

全国に散らばっている友人たち。
ここを覗いてくれている人たち。
そんな人たちを思うと、天気予報も豊かに感じる。

香港、テヘラン、そしてパリ。
人が住んでいると思うだけで、
地球規模で起きている気候の変化を思いやれる。
ただの地図や地球儀ではなく。


アンヴァリッド【国立廃兵院】。旧軍病院。
1671年にルイ14世が、傷病兵を看護する施設として計画・着工。
1706年付属の礼拝堂が完成し、美しいドーム型の教会はパリのランドマークになった。
1840年ナポレオンがセント・ヘレナ島から帰還した後、ここの地下墓所で眠っている。

地図で見ると、確かに大きな団地のようになっている。
戦禍で負傷した多くの兵士が治療を受け、暮らしていたのだろう。
廃院となった今も、傷痍軍人が僅かだが残っているらしい。
ただ機能は移され、ドーム教会は観光地に、病棟の一部は軍事博物館となっている。


正直、興味など、まったくなかった場所。
どこに行こうかなって地図を眺めながら、
ロダン美術館の目の前だったから寄ってみるかって、訪れた。
・・・普通は逆なんだよね。アンヴァリッドの前にロダン美術館がある、だよ。

だけど、期待もしなかったこともあって、殊の外、美しく感じた。
歴史的と言うよりも、舞台装置・舞台装飾として、見事だなと。

勲章の美。
威厳と気高さ。
武勲を極めた者たちの威光を感じさせるための演出。
戦の善悪を問うよりも、「誰かのために命をかけた者」への敬意を覚える。

「丁寧に仕上げられたカメオ」のような美しさ。
そんな印象を、僕は覚えた。



あいにくの小雨でね。雨男参上(笑)天気がいいと、ドームはもっと金色に輝く。
手前の黒い粒が人だからね。巨大なんだ。



中に入って、声を一瞬失った。
ドーム真下、中央に巨大な穴。正面に金色の祭壇。四方にある小部屋から光がこぼれる。

高いドームからの光は、大理石と漆喰の装飾に反射し、空間を柔らかく包む。
見えないような高さにまで、細やかな壁画が装飾されている。


穴(地下墓地)を回り込むように祭壇へ。
祭壇の橙、祭壇脇の小部屋(小ドーム)の青、天井からの柔らかな白。見事なコントラスト。


穴を覗き込めば、巨神に見守られた巨大な石棺。ナポレオン・ボナパルトが眠る。


自体が装飾となるステンドガラスではなく、照明効果のための色ガラス。効果抜群。


上の写真のケースは、アンヴァリッドの全体模型。


この橙色で、金色がより金色に輝く。

 
で、正面。現代に通じる舞台照明。


ジーザス。

 
祭壇の裏。ここから地下に降りられる。

  
地下の周回路には、ナポレオン家を称えたと思われるレリーフ。
一角に造られた地下墳墓には、歴代の将軍などが眠る。


地下から、英雄越しに祭壇を崇める。


青い小部屋も廟になってる。これは第一次世界大戦時の将軍の棺らしい。


天井はドーム型で、美しい壁画が彩る。
これが大ドームの四方に4つある。一つは空いてたけど、これから入るんなら、軍人ではなく文化人でお願いしたい。

CX5、素晴らしい能力を発揮。光をここまで捉えてくれるコンパクト・デジタルカメラってね~。