今日もいい天気。
日本海側は、ずっと雪が続いているみたいだね。
雪下ろし、雪かき、お疲れ様です。十分気をつけて。

北陸からの風が伊吹山を撫でながら、僕の所に降りてくる。
冷たい風に、空は繋がっているんだなと、想う。


Metropolitan 。メトロポリタン。・・・訳は「都会人」だよね?
だけど、パリの地下鉄出入口に、そう書いてあったんだ。
「都市交通」って意味もあるらしく、
それを語源に、地下鉄はMetro 、メトロって呼ばれるらしい。

パリは、鉄道、バス、トラムと公共交通機関が整っている。
メトロの1号線は、1900年のパリ万博に合わせて作られたとか。
日本初の鉄道開通が1872年というのだから、
ずいぶん早くから、都市整備の主要事業だったんだね。

そりゃそうか。と、また思う。
歴々と作ってきた石造りの街並みは、そう簡単に変えられない。
だったら、地下を通す。やるなぁ。

クルマも多いけれど、中心地は常に渋滞。
さらには駐車場が少ないから、どうしようもない。
ただでさえ土地がないから、日本のような駐車場はなく、
大通りの路肩を駐車スペースにするしかない。
細い路地、石畳、縦列駐車。
メルセデスのスマートカーが活躍する訳だ。


僕も、友人のアドバイスに従い、滞在中はメトロを使った。
市内は、1回€1.7。よほど郊外に行こうと思わなければ、これで十分。
また、「パリ・ヴィジット」という公共機関乗り放題のチケットがあり、
1、2、3、5日間のものが用意されている。
僕は5日券(€28.9)と3日券(€20)の2枚買って終了。
いちいち買わずに済んで、とても便利だった。

計14本の地下鉄が、市内を網羅していて、
主要各所は、乗り換えながらどこでも行ける。


ただし、乗り換えはややこしい。
連絡通路が複雑な駅があるんだ。
階段を登ったと思ったら、また潜ったり、
右へ曲がったと思ったら、左に折れたり・・・。
長いエスカレーターや動く歩道もあったりする。

慣れないフランス語の掲示板ということもあって、
何度も「あ、違う」って立ち止まった(笑)
結局、歩いた方が早かったかぁってこともあった。

増設増設で、無理矢理作ったって感じ。
だからモグラの巣のように、上下左右にお互いをかわしつつ、
線路や通路が複雑怪奇に入り組んでいる。

しかも、それが薄暗くて狭いんだ。
最初は「・・・ヤベぇかな?」って思ったもん(笑)
人気の無い高架下とか地下通路って不気味でしょ?
あんな感じが漂ってるからね。3日もすれば慣れたけど。


乗ってる感じは、日本と変わりない。
脱線するんじゃないかって思う急カーブは多いけど。
あと、2号線と6号線は外を走る。
6号線はモノレールみたいに高架を走るから、景色も楽しい。

乗車マナーは、日本よりもずっと良い。
2人分の席を平気で占拠してるヤツや、
大声でぺちゃくちゃと話してるヤツや、
よだれを垂らして、もたれかかってくるヤツは、まったくいない。

たぶん痴漢はいない。
そんな卑怯で卑劣なことをしたら、乗客全員に袋叩きに合うはずだ。
気に入ったんなら、ウインクして話しかけろ!ってね(笑)
それに、嫌な目に遭って、黙ってるパリジェンヌは一人もいない。
足を踏まれたか何かで、おっさんに食って掛かってる若い女性はおっかなかった(笑)
その代わり、満員電車でおっさんにくっつくことになっても、嫌な顔はしない。
対等の意識が確立されてると、感じた。

席を譲る技術には、感心した。
高齢でも「あたしゃ年寄りじゃないよ!」って人いるでしょ?
あれを見抜くのが、みんな上手いんだ(笑)
そんな人は一目見て、放っておく。
その代わり、疲れてそうな人、荷物を持ってる人、子供連れの人、
そういった人には、さっと席を譲る。本当に素晴らしかった。


読書をしてる人は、ちらほら。
連れがいる人は小声で話してる。本当におしゃべりが好きだ。
あとはやっぱり、ケータイいじりだね~。
もうこれは全世界的な現象なんだよ。

一人、電脳系っぽい黒人の兄ちゃんがDSしてたw。
ポップなキャップに、大きなヘッドホン。そして赤いDS。
ニンテンドーだね~って覗き込んだら、
ドラゴンボールで悟空を使ってセルと必死に戦ってた(笑)


悲しかったのは、車内を回る物乞いがいたこと。
不自由な足を引きずってたり、盲者の杖をついていたり、
障害の為に働けないのであろう人たちが、空き缶を持って、車内を回っているんだ。

また、スリや窃盗は本当に多いらしい。
僕はそれらしいのに遭遇はしなかったけれど、
ホテルで話した日本人の女性は、子供が2人寄ってきて、
何?って思ってるうちに、カバンを開けようとしてきたって言ってた。
大きな駅では、「手荷物は十分にご注意ください」って日本語のアナウンスも流れてた。


毎日乗ってると、市民になったような気がして嬉しかった。
パリ市民の、日常も日常の風景。

ある日、メトロに乗ってたら、
地方からの御登りさん家族という感じの団体が騒いでて、
急に歌なんか歌い始めちゃったんだ。
一人驚いて、辺りを見回したら、近くに立ってた同年代くらいの男性と目が合った。
すると彼は、肩と眉毛をちょっと上げて、優しく笑った。
「勘弁してやってくれ」ってことだねって、僕も眉を上げ返した。

パリの人たちは、気持ちを察するのが、以外と上手い。



パリの最も中心と言える、シャトレ駅の構内。
自動運転なんだよね。運転手がいないでしょ。どういうシステムなんだろ?


これもシャトレ駅のホーム。ガードドアがついてる。
1号線は朝晩のラッシュ時は満員になる。5分に1本くらいは来るかな。
1号線は自動だけど、6号線などの利用客が少ない路線は、自分で車両ドアを開けるんだ。レバーがついてて、乗降時に引き上げるとガシャンって開く。最初分からなくて、他の人がやるのを見て覚えたけれど、覚えたらやりたくてやりたくて(笑)降りる駅のずいぶん前から立って待ったりして。
 
 
 
モグラの巣(笑)
人がいなくなると「大丈夫か・・・」って思うね。暴漢に襲われても、逃げようがないよ。
もっと長い通路とか、どこまで下るんだってエスカレーターとかもあるんだもん。
最後の写真に写ってるのは、音楽隊。ストリートミュージシャンがあちこちで演奏してる。日本のようなアコギやシンセサイザーで歌うってのはいなかったな。バイオリン、クラリネット、アコーディオン、二胡などクラシック系。車両に乗り込んできたのもいてビックリ。



リヨン駅。パリの南の基点。南仏郊外への列車などが集まる。真ん中、とんがってて、ライトが2つ点いてるのがTGV(フランスの新幹線)でしょ。
迷彩服で歩いてるのは、コスプレマニアではなく、本当の軍人。2人ともライフル持ってる。駅とか人の集まる所で、度々見かけた。警察もいるけれど、パトロールなんだろうね。ふざけた冗談は、ためらいなく撃たれると思うな。